講演情報
[I-SY1-2]乳幼児期に施行したグラフトを用いたSupra annular mitral valve replacementの後方視的検討
○原田 雄章, 永瀬 晴啓, 松田 健作, 玉井 夢果, 中野 俊秀 (福岡市立こども病院 心臓血管外科)
キーワード:
僧帽弁、狭小弁輪、supra-annular mitral valve replacement
【目的】乳幼児の狭小弁輪の僧帽弁に対してグラフトを用いたsupra-annular mitral valve replacement (SAM法)の成績について後方視的に検討した。【対象】2010年 10 月より2025年 2 月までの間に当院で僧帽弁置換術を受けた乳幼児16例の内SAM法を用いた6例をS群、 非使用の10例をNS群とした。S群/NS群の手術時平均年齢はそれぞれ10ヶ月(2カ月-2歳4カ月)/2歳6ヶ月(3カ月-6歳),平均体重は6.0kg(5.4kg-10.6kg)/9.7kg(6.4kg-18.1kg)であった。基礎疾患はS群/NS群それぞれでAVSD術後の僧帽弁閉鎖不全症(MR)4例/4例、先天性MR 2例/5例、先天性僧帽弁狭窄0例/1例であった。術前の僧帽弁輪径はS群で平均12.9mm、NS群では平均19.9mmであった。機械弁のサイズはS群で17mmが5例、16mmが1例でありグラフトは全例で18mmを使用した。NS群で使用した機械弁は16mmが1例、17mmが5例、19mm以上が4例であった。術後平均観察期間はS群で2.8年、NS群で7.3年であった。【結果】死亡例は S群はなくNS群の1例で術後2ヶ月に術後心不全管理中に感染を契機で失った。両群共に心機能低下(LVEF<50%)の症例は術前にはいなかったが術後の心機能低下症例はNS群で3例認めた。S群2例(弁輪径それぞれ11mm、16mm)、NS群1例(弁輪径23mm)で腱索を弁輪に固定し温存した症例があったがいずれも術後の心機能は良好であった(LVEF>70%)。再手術は術後Stuck valveを認めたS群の1例、NS群の2例で施行された。S群の1例は退院後の抗凝固コントロール不良が原因であった。NS群の2例の抗凝固は至適にコントロールされていたがそれぞれ術後7日目、50日目で血栓形成が原因でStuck valveとなった。不整脈は両群で認めなかった。【結語】乳幼児期のSAM法を用いた僧帽弁置換術の成績は良好であった。本法は狭小弁輪への縫着を可能とし弁下組織との干渉を回避出来るため腱索温存可能となり術後心機能低下を抑えStuck valveの抑制に寄与すると考えられた。
