講演情報
[I-SY1-4]乳幼児僧帽弁置換術、小さい人工弁の再手術はいつ行うか?~適正有効弁口面積,至適再手術の検討
○小嶋 愛1, 細谷 裕太1, 小沼 武司1, 澁谷 悠馬2, 沼田 隆佑2, 米原 恒介2, 大日方 春香2, 赤澤 陽平2, 武井 黄太2, 瀧聞 浄宏2 (1.長野県立こども病院 心臓血管外科, 2.長野県立こども病院 循環器小児科)
キーワード:
乳児僧帽弁置換、PPM、有効弁口面積
【背景】 乳幼児期の僧帽弁置換術(MVR)では最小径機械弁ATS16を用いざるを得ず、成長に伴うPPM(prosthesis-patient mismatch)の進行から再弁置換を要することが多い。当院では外来Quick echoでpeak transmitral flow(TMF)2.5 m/s以上の加速例を抽出し、カテーテル検査でPCWP上昇を認めた場合に再手術適応を検討している。僧帽弁位におけるPPM指標は確立していないが、成人例ではEOAI 1.4 cm2/m2以上で回避可能とされ、当院でも弁選択の基準としている。【目的】当院における乳幼児期MVR症例を後方視的に検討し、reMVR至適時期および弁選択基準を明らかにする。【方法】1993~2023年に施行した乳幼児期MVR 8例を対象に、初回手術時因子、再弁置換理由、TMF・PCWPとEOAIの関連、再々手術回避に関する弁サイズ選択を評価した。【結果】初回MVR時の平均月齢13か月、体重6.8 kg、原疾患はcAVSD 3例、MR 3例、MS 1例、IE 1例であった。初回弁はATS16が2例、SJM17が6例で、15年生存率は100%。再弁置換は5例で血栓弁1例、PPM 4例。再弁置換時年齢は平均10.6歳、体重31.5 kgで、血栓弁以外のEOAIは平均1.1であった。全例でTMF ≧2.5 m/sを示しPCWP(平均14 mmHg)と相関した。弁は2サイズアップが可能で、再弁置換後平均10.5年の観察で成人体格到達後のEOAIは平均1.7と1.4以上を維持でき、再々弁置換回避率は10年100%であった。【考察】乳児期にATS16またはSJM17を選択した症例では、reMVR時に特に女性で成人期にEOAI ≧1.4を満たすサイズが選択可能であり、再々MVR回避が期待された。【結語】reMVR至適時期の判断にはpeak TMFが有用であり、弁選択では成長後EOAI ≧1.4を目標とすることで再々弁置換が回避可能と示唆された。
