講演情報
[I-THM-1]PDAステントの実臨床アップデート:国内外、外科治療との対比
○伊吹 圭二郎 (富山大学附属病院)
キーワード:
PDA、ステント、カテーテル治療
【背景】動脈管依存性肺血流を伴う先天性心疾患に対する姑息術として、従来は外科的シャンと手術が標準であった。近年、経カテーテル的動脈管ステント留置術(PDAステント)は低侵襲治療として急速に普及し、海外では標準的姑息術の一つとして位置づけられている。【当院の経験】これまでに12例(二心室修復例11例、単心室循環例1例)に対しPDAステントを行った。施行時日齢中央値は37日(3–238日)、体重中央値は3.0 kg(2.2–4.5 kg)、11例(92%)でステント留置に成功した。ステント狭窄による予期せぬ外科介入が2例に認めたが、8例は予定手術が施行された。予定手術例のうち1例に左肺動脈閉塞を認めた。【外科治療との比較】PDAステントは開胸や人工血管留置を回避でき、集中治療・入院期間短縮、良好な肺動脈成長などの利点が報告されている。近年の海外レジストリやメタアナリシスでは、体肺動脈短絡手術と比較して周術期死亡率や重篤合併症の低減が報告されている。一方で、ステント再狭窄や追加治療、動脈管形態に依存した手技難易度など、依然解決すべき課題もある。【国内外の比較】欧米ではPDAステントは二心室修復症例のみならず単心室循環症例にも広く適用され、多施設データの蓄積が進んでいる。本邦ではデバイスの未承認使用や、施設経験の差などから普及は限定的である。また、小児循環器内科医と外科医の協力体制が必要不可欠であり、本邦独自の医療環境を踏まえた標準治療化への議論が求められる。【まとめ】PDAステントは、低侵襲な治療選択肢として、適切な症例選択により外科的シャント手術に代わり得る可能性を有する。一方で、手技戦略、再介入への対応、外科との連携体制構築など、本邦における標準治療化には課題が残されている
