講演情報

[I-THM-2]BTシャントからPDAステントへ:世界的潮流と本邦導入の課題

加藤 温子 (大阪大学)
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キーワード:

動脈管依存型肺血流、動脈管ステント、デバイスラグ

先天性心疾患のうち、チアノーゼ性心疾患の多くを占める動脈管依存型肺血流の姑息術として、これまで新生児期にBTシャント術が標準的に施行されてきた。しかし2010年代以降、世界各国でPDAステント術が急速に普及し、現在では解剖学的適応を考慮しつつも、多くの施設において第一選択の治療法となっている。近年のメタアナリシスでは、PDAステント術はBTシャント術と比較して死亡率低下、ICU滞在期間や入院日数の短縮が報告されており、肺動脈の均等な成長や神経発達予後の改善にも寄与する可能性も示唆されており、有効かつ低侵襲な治療法として評価されている。一方、日本国内では年間600例前後に行われているBTシャント術に対して、PDAステント術の実施例は依然として20例程度にとどまり、標準治療として普及していない。その背景には、海外と比較してBTシャント術の周術期死亡率が低いことが挙げられているが、死亡以外の周術期合併症や中長期予後に関するデータは限定的であると言わざるを得ない。また、PDAステント専用デバイスは存在せず、冠動脈用ステント(DES)が代用されているため、保険適用上の課題も普及の障壁となっている。本演題では、日本と世界における治療戦略および成績を比較し、PDAステント術導入における課題を整理する。さらに今後の展望として、DES適応拡大、国内外でのPDA専用デバイス開発の可能性についても考察する。