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[I-THM-3]外科医から見たPDA stent:適応の再考と承認申請への提案

根本 慎太郎 (大阪医科薬科大学 医学部 外科学講座 胸部外科学)
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キーワード:

PDAステント、Blalock-Taussig Shunt、医療機器製造承認販売

動脈管(PDA)stent留置の黎明期に関わった外科医の経験からの対象症例を再考と、医療機器開発経験者としてその対象症例でのわが国でのPDA stent製造販売承認申請戦略を提案する。

Blalock-Taussig Shunt (BTS)に代わる物理的肺血流維持治療として低侵襲であるPDA stentの確立をcatheter interventionistが主張している。一方で2005年に本学会の『肺血流量増加型先天性心疾患に対する低酸素濃度ガス吸入療法実施マニュアル』の登場以降、BTS周術期の過剰肺血流による致死的な心不全・ショックを劇的に防ぐ"Subatmospheric oxygen therapy"が標準的な管理法として広く定着し、わが国のBTS術後30日死亡は2024年では9/414(2.2%)と圧倒的に低い。BTSでは、ステントでは未達の①PDAの形状に寄らない血流路、②低い再治療介入、④数か月~1年間の流量維持、そして⑤次段階手術での容易な除去が得られるため、開胸のtrade-offがあても肺血流獲得治療のcorner stoneである。BTS実施の危険性が高い低出生体重児、小口径対象血管、重篤な非心臓病変の合併例、短期的destinationで(すべてor)、かつPDAの形状と肺動脈狭窄位置関係が適している場合にPDA stentの選択が適切と考える。実は外科医にとって留置されたPDA stentの手術時の抜去は悪夢である。

以上から良好なBTSによる効果が望めない患者を対象として限定した場合でのPDA stentの薬事承認では、他の医療機器とは全く違うアプローチを取らざるを得ない。製造販売企業の意思決定では、市場性、技術・製造物責任リスク、そして社内リソース・手間での懸念が必発である。それらの払拭のためには、新規開発ではなく冠動脈ステントの一部変更申請をゴールとし、学会が厚労省への要望書の提出、医師主導治験およびレジストリの構築と実施、そのPMDAとの折衝と合意形成、そして施設基準策定と改訂で自ら出血することである。早期承認を目指すには有機的な産官学連携が必須である。