講演情報
[II-CSY4-4]慢性心疾患患者の成人後の腎臓はこんな危険にさらされている
○藤丸 拓也 (聖路加国際病院)
キーワード:
成人先天性心疾患、慢性腎臓病、チアノーゼ腎症
近年, 医療技術の進歩により, 先天性心疾患(CHD)患者の多くが成人に達している. 18歳まで生存したCHD患者の70%以上は60代まで生存するとの報告もあり(Circulation 2023), 長期予後を見据えた管理が重要である.
CHD患者は, 人工心肺下手術やヨード造影剤などの腎毒性物質への曝露に加え, 低酸素状態, レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAS)の亢進, 自律神経調節障害, 低心拍出, 多血症による血液粘稠度上昇などにより腎機能障害を来しやすい(Can J Kidney Health Dis 2015). 特に, チアノーゼ型CHDに起因する蛋白尿や腎機能障害はチアノーゼ腎症と呼ばれ, 末期腎不全に至ることもある.
CHD患者が40代後半までに慢性腎臓病(CKD)に至るリスクは一般人口の約6倍とされ(Eur Heart J Open 2022), フォンタン術後患者では約半数にCKDを認める(Int J Cardiol 2018). また, 成人CHD患者において糸球体濾過量(GFR)低下やアルブミン尿は全死亡と関連し(Circulation 2008, JAMA Cardiol 2018), 非チアノーゼ型CHDにおいても蛋白尿は心血管イベントと関連する(Am J Cardiovasc Dis 2021).
一方で, 成人CHD患者のCKD管理には未解決の課題が多い. 血清クレアチニンに基づく推定GFRは筋肉量低下などにより腎機能を過大評価する可能性がある. 特にフォンタン術後患者では実測GFRとの乖離が大きく(Int J Cardiol 2018), シスタチンCによる評価が望ましい(Am Heart J 2019). また, 糖尿病性腎臓病や高血圧性腎硬化症ではRAS阻害薬やSGLT2阻害薬によるCKD進行抑制が確立しているが, 成人CHD患者のCKDに対する有効性は明らかではない. さらに, 末期腎不全に至った場合の腎代替療法選択に関するエビデンスが限られており, 血行動態が不安定な患者では血液透析が困難である一方, 腹膜透析では感染症のリスクが課題となる.
本講演では, 成人CHD患者における腎障害の問題点を共有し, 「みんなの笑顔」の実現に向けた課題について議論したい.
CHD患者は, 人工心肺下手術やヨード造影剤などの腎毒性物質への曝露に加え, 低酸素状態, レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAS)の亢進, 自律神経調節障害, 低心拍出, 多血症による血液粘稠度上昇などにより腎機能障害を来しやすい(Can J Kidney Health Dis 2015). 特に, チアノーゼ型CHDに起因する蛋白尿や腎機能障害はチアノーゼ腎症と呼ばれ, 末期腎不全に至ることもある.
CHD患者が40代後半までに慢性腎臓病(CKD)に至るリスクは一般人口の約6倍とされ(Eur Heart J Open 2022), フォンタン術後患者では約半数にCKDを認める(Int J Cardiol 2018). また, 成人CHD患者において糸球体濾過量(GFR)低下やアルブミン尿は全死亡と関連し(Circulation 2008, JAMA Cardiol 2018), 非チアノーゼ型CHDにおいても蛋白尿は心血管イベントと関連する(Am J Cardiovasc Dis 2021).
一方で, 成人CHD患者のCKD管理には未解決の課題が多い. 血清クレアチニンに基づく推定GFRは筋肉量低下などにより腎機能を過大評価する可能性がある. 特にフォンタン術後患者では実測GFRとの乖離が大きく(Int J Cardiol 2018), シスタチンCによる評価が望ましい(Am Heart J 2019). また, 糖尿病性腎臓病や高血圧性腎硬化症ではRAS阻害薬やSGLT2阻害薬によるCKD進行抑制が確立しているが, 成人CHD患者のCKDに対する有効性は明らかではない. さらに, 末期腎不全に至った場合の腎代替療法選択に関するエビデンスが限られており, 血行動態が不安定な患者では血液透析が困難である一方, 腹膜透析では感染症のリスクが課題となる.
本講演では, 成人CHD患者における腎障害の問題点を共有し, 「みんなの笑顔」の実現に向けた課題について議論したい.
