講演情報
[II-CSY4-5]先天性心疾患患者の人生設計~小児期から伝えておいて欲しいこと~
○圓尾 文子 (兵庫県保健医療部)
キーワード:
成人先天性心疾患、移行期医療、ヘルスリテラシー
先天性心疾患患者の予後改善により、多くの患者が成人期を迎え、就学・就労・結婚・妊娠出産など多様なライフイベントを経験し、さらに高齢期に達する時代となった。成人期に遺残病変や術後経年的変化に対して再手術が必要となる場合、長期的な心不全回避、不整脈回避のための心筋温存が重要であり、「症状が出てから対応する」のではなく、定期的な検査により心機能が保たれている段階で適切な介入時期を見極めることが必要である。このためには患者自身も小児期から将来を見据えた人生設計や医療継続の必要性を認識しておくことが肝要である。その一方で過度な病識により社会参画が妨げられることもないようにする必要があり、このためには客観性を持った正確な病態把握が不可欠である。成人期の再手術は周術期管理や低侵襲治療の進歩により、手術リスクも低下している。進学、就職、妊娠出産、育児、介護など各ライフステージを踏まえ、患者本人の価値観を尊重しながら、最適な時期を医療者と共に検討する姿勢が重要である。疾患によって重症度や介入を要する病態発生の頻度も異なるが、原則、成人循環器科への移行を念頭に患者自身がヘルスリテラシーを獲得すること、成人期には他の生活習慣病予防も留意してもらいたい。地域の医療資源の状況によっては成人移行が困難な病態もあり得るので小児循環器医と循環器内科医、心臓血管外科医の協議による患者管理方針の共有と、それを患者が理解できるように伝えることも重要である。患者が自らの疾患を理解し主体的に人生設計できる支援体制が望まれる。
