講演情報
[II-JMSF-1]発生学から見た心臓流出路の形態形成
○八代 健太 (京都府立医科大学)
キーワード:
転写因子Pitx2、内臓錯位症候群、大動脈と肺動脈の空間配置
先天的な左右軸形成異常(内臓錯位症候群)は、複雑先天性心疾患を高率に合併する。脊椎動物における左右非対称性の確立には、TGFβスーパーファミリーに属するNodalシグナルが中心的役割を担い、その下流で左側臓器の形態を規定する転写因子Pitx2がマウス胚の左側側板中胚葉に特異的に誘導される。Pitx2発現細胞は出生後までその発現を維持し、左心房および左右心室の一部、さらに心臓流出路の形成に寄与する。Pitx2の片側性発現に必須のエンハンサーasymmetric enhancer (ASE) を欠損したPitx2ΔASE/ΔASE変異マウスでは、心筒のルーピング方向は保たれるにもかかわらず、Pitx2の左側特異的発現が消失し、atrial right isomerismと大血管転位を呈する。しかし、遺伝的左右非対称性プログラムの下でPitx2が流出路における大血管の位置関係をいかに制御するかは、未解明である。
本研究では、Pitx2ΔASE/ΔASE変異マウスを用いたsingle-cell RNA-seqおよび三次元イメージング解析により、PITX2が流出路形態形成に果たす役割を解析した。これらの結果に基づき、我々は以下のモデルを提唱する。(1)PITX2は微小管動態を直接制御し、Pitx2発現細胞が平面内極性シグナルに応答して流出路内を左から右へ回旋移動する。(2)この細胞移動が神経堤細胞の遊走経路をらせん状に誘導し、流出路中隔の螺旋形成をもたらす。(3)その結果、大動脈幹と肺動脈幹の正しい空間配置が確立される。ここで、本研究の成果を共有し、流出路形態形成の分子機構について議論を深めたい。
本研究では、Pitx2ΔASE/ΔASE変異マウスを用いたsingle-cell RNA-seqおよび三次元イメージング解析により、PITX2が流出路形態形成に果たす役割を解析した。これらの結果に基づき、我々は以下のモデルを提唱する。(1)PITX2は微小管動態を直接制御し、Pitx2発現細胞が平面内極性シグナルに応答して流出路内を左から右へ回旋移動する。(2)この細胞移動が神経堤細胞の遊走経路をらせん状に誘導し、流出路中隔の螺旋形成をもたらす。(3)その結果、大動脈幹と肺動脈幹の正しい空間配置が確立される。ここで、本研究の成果を共有し、流出路形態形成の分子機構について議論を深めたい。
