講演情報

[II-JSCDJS-OR-1]小児拘束型心筋症における心臓線維芽細胞・心筋細胞間相互作用の病態解明

吉原 千華, 橋本 和久, 上山 敦子, 上田 和利, 林田 由伽, 長野 広樹, 加藤 温子, 石井 良, 成田 淳, 石田 秀和 (大阪大学大学院 医学系研究科 小児科学)
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キーワード:

拘束型心筋症、iPS細胞、線維芽細胞

【背景】拘束型心筋症(RCM)では複数の病原遺伝子が報告されているが、約半数の症例では遺伝子変異が見つからず、また、同じ遺伝子変異でも異なる臨床像を呈するなど、RCMの病態は心筋細胞の遺伝子変異だけでは説明がつかない。これまで我々は、心臓の重要な構成細胞である心臓線維芽細胞(Cardiac fibroblast: CF)に着目し、RCM-CFが病態形成に重要な役割を果たしていることを報告した。今回、患者iPS細胞とゲノム編集技術を用い、RCMにおけるCF-CM間の相互作用が病態に果たす役割を解析した。
【方法】ヘテロ接合のTNNI3(心筋トロポニンI)変異をもつ小児RCM患者よりiPS細胞株を樹立し、さらに変異修復株を確立した。それぞれのiPS細胞をCMに分化させ、CFとの共培養をおこない、CM-CF間で互いに与える影響を解析した。
【結果】RCM-CMが健常CFに与える影響を解析するため、それぞれのiPS-CMと健常CFを共培養した。共培養したCFの生理学的機能(増殖・遊走・接着・細胞死)を解析したが有意差は認められなかった。RNA-seq解析では、患者由来TNNI3変異CMと共培養した健常CFの遺伝子発現パターンは、遺伝子修復CMと共培養したCFとは異なっていた。さらに、患者由来TNNI3変異CMと共培養したCFと、健常iPS-CMとを再度共培養すると、健常iPS-CMの拡張能が有意に低下した。
【結語】CMとCFの間で双方向性の病態形成作用があることが示唆された。CMとCFは互いに影響しあい、RCMの病態形成に関与していると考えられる。