講演情報

[II-JSCDJS-OR-2]小児拘束型心筋症患者のiPS細胞由来心筋細胞を用いた拡張不全の病態解析

水野 雄太1,2,3, 伊藤 正道3, 小川 陽介1,2,4, 中釜 悠1,5, 犬塚 亮1, 小室 一成6, 武田 憲彦3 (1.東京大学医学部附属病院 小児科, 2.東京大学大学院医学系研究科 小児科学, 3.東京大学大学院 医学系研究科 循環器学, 4.東京大学大学院 医学系研究科 遺伝情報学, 5.大阪公立大学大学院 医学系研究科 寄生虫学, 6.東京大学大学院 医学系研究科 先端循環器医学講座)
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キーワード:

拘束型心筋症、iPS細胞、拡張不全

【背景】拘束型心筋症(RCM)は心室拡張機能低下を特徴とし、効果的な薬物治療は確立しておらず、現状では心臓移植が唯一の治療である。RCMは補助人工心臓での管理が困難で移植待機も難しく、特に小児期発症例では診断から2年以内の死亡率が約40%と高く極めて予後不良である。その一方で、拡張不全を含む病態の分子機序は十分に解明されておらず、新たな病態モデルの確立が求められている。患者由来iPS細胞から分化誘導したiPS細胞由来心筋細胞(iPSC-CM)は、患者の遺伝学的背景を反映したヒト心筋病態をin vitroで非侵襲的かつ再現性高く解析可能なツールとして注目されており、RCMの病態解明にも有用と考えられる。【目的】小児RCM患者由来iPSC-CMを用いて、拡張不全を含むRCMの病態メカニズムをin vitroで多面的に解析するためのプラットフォームを構築し、その有用性を検討する。【方法】当院の小児RCM患者のうち遺伝子変異が同定された3例の末梢血からiPS細胞を樹立し、iPSC-CMへ分化誘導した。各症例にはMYH7FLNCTNNI3の変異を認めた。これら患者由来 iPSC-CM と健常対照 iPSC-CM を同一条件下で培養し、心筋収縮能に加えて拡張能を評価するため、受動張力の測定が可能なモーションアナライザーデバイスを用いた運動解析系を構築した。さらに、拡張不全の機序を力学的側面から解明するため、原子間力顕微鏡による細胞弾性評価を行う実験系を確立した。加えて、カルシウム動態解析、RNAシークエンス、isogenic control 株を用いた機能比較を現在実施中である。【結論】小児RCM患者のiPSC-CMと多面的機能解析を組み合わせたin vitro疾患モデルを構築し、病態解析に向けたプラットフォームを提示した。本研究は、小児RCMの拡張障害の分子基盤解明および新規治療戦略開発に寄与する可能性がある。