講演情報
[II-JSCDJS-P2-2]低酸素飼育肺動脈絞扼ラットは心筋ミトコンドリア動態を維持することで心筋代謝を維持し組織傷害を軽減させ心機能を維持した
○伊藤 怜司, 糸久 美紀, 浦島 崇 (東京慈恵会医科大学 小児科学講座)
キーワード:
右室不全、低酸素血症、ミトコンドリア
【背景】近年チアノーゼ性先天性心疾患(CCHD)の治療成績は向上する一方で、狭窄病変やチアノーゼの残存は心不全を遷延させ生命予後に影響を与える。CCHDでは右室体心室が多いが右室リモデリング等の病態は未だ不明である。我々は低酸素飼育肺動脈絞扼ラットをCCHDモデルとして心室拡張障害や潜在エネルギーの枯渇化、心筋線維化・ミトコンドリア(mt)形態異常を報告した。今回、本モデルのミトコンドリア動態に対して分子生物学的解析を追加し報告する。
【目的】低酸素飼育肺動脈絞扼ラットの心筋ミトコンドリア動態を評価する。
【方法】SDラットを低酸素環境(13%)で飼育し4週齢時に肺動脈絞扼術(PAB)を施行する。低酸素飼育3週後に心筋組織のミトコンドリア動態に関わる因子をqPCR法を用いて測定した。結果は大気飼育群と群間比較し解析を行なった。
【結果】対象はPABを施行した低酸素群(PBH), 大気群(PBR), 低酸素対照群(CH), 大気対照群(CR)各6例抽出し解析した。mt癒合因子OPA1は低酸素負荷で減衰(RV: PBH0.76±0.07, CH0.88±0.09, CR1.05±0.17(p<0.05))、Mfn1は差を認めず、Mfn2は低酸素負荷で増幅(RV: PBH1.36±0.29, CH1.69±0.28, CR1.06±0.15(p=0.10))した。分裂因子Drp1は単独負荷で増幅し圧低酸素負荷では変化を認めなかった (RV: PBR1.36±0.08, CH1.34±0.30, CR1.05±0.13(p<0.05))。
【結論】我々は圧または低酸素単独負荷はmt傷害を示し、圧低酸素負荷はmt形態を維持することを報告した。右室のqPCR結果は圧負荷によるmt肥大と低酸素負荷によるmt増多を反映し、圧低酸素負荷はmt分裂を抑制し肥大を促進した。特にMfn2はmtと小胞体の接合に関与し、mt合成に必須なリン脂質合成に関わり形態や機能維持に重要である。Drp1は不良mt処理やマイトファジーに関与し、酸化ストレスマーカーである。圧低酸素負荷における組織変化は単独負荷と比較しmt機能と心筋代謝を維持し代償していると考えられた。
【目的】低酸素飼育肺動脈絞扼ラットの心筋ミトコンドリア動態を評価する。
【方法】SDラットを低酸素環境(13%)で飼育し4週齢時に肺動脈絞扼術(PAB)を施行する。低酸素飼育3週後に心筋組織のミトコンドリア動態に関わる因子をqPCR法を用いて測定した。結果は大気飼育群と群間比較し解析を行なった。
【結果】対象はPABを施行した低酸素群(PBH), 大気群(PBR), 低酸素対照群(CH), 大気対照群(CR)各6例抽出し解析した。mt癒合因子OPA1は低酸素負荷で減衰(RV: PBH0.76±0.07, CH0.88±0.09, CR1.05±0.17(p<0.05))、Mfn1は差を認めず、Mfn2は低酸素負荷で増幅(RV: PBH1.36±0.29, CH1.69±0.28, CR1.06±0.15(p=0.10))した。分裂因子Drp1は単独負荷で増幅し圧低酸素負荷では変化を認めなかった (RV: PBR1.36±0.08, CH1.34±0.30, CR1.05±0.13(p<0.05))。
【結論】我々は圧または低酸素単独負荷はmt傷害を示し、圧低酸素負荷はmt形態を維持することを報告した。右室のqPCR結果は圧負荷によるmt肥大と低酸素負荷によるmt増多を反映し、圧低酸素負荷はmt分裂を抑制し肥大を促進した。特にMfn2はmtと小胞体の接合に関与し、mt合成に必須なリン脂質合成に関わり形態や機能維持に重要である。Drp1は不良mt処理やマイトファジーに関与し、酸化ストレスマーカーである。圧低酸素負荷における組織変化は単独負荷と比較しmt機能と心筋代謝を維持し代償していると考えられた。
