講演情報

[II-OR13-02]小児劇症型心筋炎の臨床経過に関与する臨床症状の検討

石川 和, 浦田 晋, 酒井 瞭, 羽田 瑠美, 三崎 泰志, 金 基成, 小野 博 (国立成育医療研究センター 循環器科)
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キーワード:

急性心筋炎、診断遅延、症状出現時期

【はじめに】小児劇症型心筋炎の症状出現からICU(集中治療室)入室に至るまでの過程に着目した研究は少ない。【対象と方法】2002年3月から2025年12月に当院で劇症型心筋炎と臨床診断された症例を対象に後方視的コホート研究を行った。劇症型心筋炎は血管作動薬を要した急性心筋炎と定義した。ECMO導入前に心肺蘇生(CPR)を要した群(R群)と要さなかった群(N群)にわけて、各群の症状出現から入院前の臨床症状を比較した。さらに、各症状の有無で2群に分け、症状出現からICU入室までの期間を目的変数として解析した。【結果】対象は57例、年齢の中央値は5(四分範囲0-8)歳、発症から医療機関初診までの日数は1 (0-1)日、初診からICU入室までの日数は1(1-3)日、発症からICU入室までの日数は3(1-5)日、総外来受診回数は2(2-3)回、ECMO導入は27例(47%)、発症からECMO導入までの期間は3(1-3)日、ECMO導入の適応はECPR 9例、高度循環不全15例、難治性不整脈3例であった。挿管は49例(86%)、一時的ペースメーカー挿入は13例(23%)に実施された。ECPR例も含めECMO導入前にCPRを要した症例は11例で、死亡は7例(12%)であった。入院前の症状は、発熱58%、嘔吐46%、食欲不振32%、上気道症状30%、呼吸窮迫症状15%、胸痛19%、意識障害およびけいれん47%であった。R群(11例)とN群(46例)の比較では、発熱(91% vs 50%, p=0.033)、意識障害およびけいれんを認めること(82% vs 41%, p=0.038)はECMO導入前のCPRと関連していた。また、R群では食欲不振は認めなかった (0% vs 64%, p=0.032)。各症状別の解析では、上気道症状 (4日 vs 2日, p=0.033)や呼吸窮迫症状(5日 vs 2日, p=0.0080)を認めた症例は、発症からICU入室までの期間が有意に長かった。【結論】小児の急性心筋炎において、入院前に発熱、意識障害およびけいれんを認める症例では循環破綻が急速に進行する可能性があるため、高次施設への速やかな搬送がより重要である。