講演情報

[II-OR13-03]無症候性に進行した若年性全身性強皮症合併心筋症の2例

柏木 菜緒, 櫻井 牧人, 大鹿 美咲, 田中 里奈, 下山 輝義, 山口 洋平, 石井 卓 (東京科学大学病院 小児科)
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キーワード:

心筋症、全身性強皮症、線維化

【緒言】若年性全身性強皮症(juvenile systemic sclerosis:jSSc)は小児期発症の皮膚硬化と全身臓器線維化を特徴とする稀少疾患である。心合併症は生命予後に影響する重要な因子だが、頻度や病態、スクリーニング指標は十分に確立されていない。今回、jSScの治療経過中に無症候性心筋症を合併した2例を経験したため報告する。
【症例1】10歳女児。5歳時にjSScと診断され、免疫抑制療法を継続中であった。外来フォロー中の血液検査でBNP 469 pg/mLと高値を認め、心エコーで左室駆出率26%と収縮能の低下を認めた。心臓MRIで左室基部から中部および右室に心内膜側優位の全周性遅延造影を認め、心筋生検では、心筋細胞の大小不同や変性所見、間質の線維化およびリンパ球浸潤を認め、原疾患に伴う心筋症と診断した。jSScの治療強化としてステロイドパルス療法、ACE阻害薬およびβ遮断薬による抗心不全治療を開始し、心機能は改善傾向を示した。
【症例2】15歳女児。11歳時に抗Ku抗体陽性多発性筋炎とjSScのオーバーラップ症候群と診断され、免疫抑制療法を継続中であった。経過中に心室期外収縮(PVC)が出現し、心精査を施行した。心エコーでは左室駆出率62%と収縮能は保たれていたが、心臓MRIで心内膜側優位の遅延造影を認め、原疾患に伴う心筋症と判断し、ACE阻害薬とβ遮断薬による抗心不全治療を開始した。
【考察・結論】2症例はいずれも自覚症状に乏しく、血液検査や心電図の異常所見が心筋症診断の契機となった。jSScに合併する心筋症は稀だが、無症候性に進行する可能性もあるため、jSScでは症状の有無に関わらず定期的な心臓スクリーニング検査を行うことが重要である。