講演情報

[II-OR15-01]先天性心疾患術後乳び胸プロトコールの作成による診断・治療標準化への試み

鈴木 彩代1, 連 翔太1, 白水 優光1, 郷 清貴1, 佐藤 正規1, 村岡 衛2, 福岡 將治2, 永田 弾2, 倉岡 彩子1, 佐川 浩一1,2 (1.福岡市立こども病院 循環器科, 2.福岡市立こども病院 循環器集中治療科)
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キーワード:

乳び胸、プロトコール、周術期合併症

【背景】先天性心疾患(CHD)術後乳び胸では特有の病態を理解した上での治療とその標準化が求められる。【目的】CHD術後乳び胸診療プロトコールの作成・実施。【方法】2018年1月1日~2024年12月31日に当院で心臓手術後に乳び胸と診断した167例の情報を診療録を元に収集。2018~2020年をEra1(74例)、2021~2024年をEra2(93例)とし比較した結果を元にプロトコールを作成。2025年8月1日~12月31日にプロトコールを実施した11例の遵守状況を評価した。【結果】Era2ではEra1と比べ術後早期に胸水検査が施行され、使用薬剤の種類が増加。リンパ管シンチグラフィに加えICGリンパ管造影が増え、侵襲的治療はリンパ動態評価を元に選択されていた。Era2ではEra1に比しドレーン留置日数(中央値 22日vs 17日p<0.05)、排液量10ml/kg/日以上の日数(中央値7.5日vs7日 p<0.05)が短縮し、排液量20ml/kg/日が7日以上の重症例が減少(28/74例vs21/93例 p<0.05)と転帰の改善を認めた。結果を元に、診断・治療時期、内容の標準化を目的としたプロトコールを作成。<術後1週間>胸水持続例全例に胸水検査施行<術後2-3週間>標準化された薬物・栄養療法の効果判定を行い、治療反応不良例にリンパ動態の把握、侵襲的治療選択のための画像評価を施行<術後3-4週間>内科的治療への反応や画像評価を元に、侵襲的治療必要性の判断を行う、と定めた。本プロトコール施行11例では、82%が術後1週間以内に初回胸水検査施行、全例が標準化された薬物・栄養療法を術後2週間以内に開始していた。リンパ動態画像評価を要した4例中3例が術後3週間までに施行、侵襲的治療を要した2例はその結果を元に術後23、46日にリンパ管静脈吻合術を施行していた。【考察・結論】CHD術後乳び胸の治療成績は改善しており、その治療内容の詳細な検討に基づくプロトコールの作成・実施により、適切な診療の標準化が可能である。