講演情報
[II-OR15-06]ECMO管理における単心室循環患者と二心室循環患者の臨床経過の違い
○築野 一馬, 中橋 匠, 野竹 慎之介, 中村 祐輔, 増田 詩央, 真船 亮, 百木 恒太, 河内 貞貴, 星野 健司 (埼玉県立小児医療センター)
キーワード:
ECMO、単心室循環、集中治療
【背景】単心室循環患者に対するECMO管理は症例毎の解剖や血行動態の特殊性の理解が求められるが、単心室循環患者に対するECMOの報告は限られている。【目的】単心室循環患者に対するECMO管理の特性と課題を明らかにすること。【方法】2017年1月から2025年12月に当院にてVA-ECMO管理を要した心疾患症例47例(41名)を診療録を用いて後方視的に検討した。二心室循環群(BV群)と単心室循環群(UV群)の二群間で臨床経過の違いを比較した。【結果】BV群は23例(21名;男10名)、UV群は24例(20名;男15名)であった。導入時平均月齢はBV群65か月に対し、UV群7.7か月と有意に低月齢であった。UV群の血行動態は未介入2例、両側PAB 4例、シャント12例(Norwood含む)、Glenn 2例、TCPC 4例であった。ECMO補助期間はBV群は平均6日、UV群は平均4日と有意差は観られなかった。カニュレーション部位はBV群は中枢5例、末梢18例に対し、UV群は中枢18例、末梢6例であった。BV群は23例中15例(65%)でECMO離脱可能であり、その全例が生存退院していた。UV群は24例中15例(63%)でECMO離脱可能であったが、生存退院していたのは10名であった。BV群では導入時の乳酸値と生命予後に相関関係が観られたがUV群では観られなかった(r=0.72 vs 0.18(BV vs UV))。止血術を要する出血はBV群3例(12%)、UV群10例(42%)、菌血症や縦隔炎などの感染症の合併はBV群5例(20%)、UV群10例(42%)とUV群で高頻度に認めた。ECMO離脱に際しペースメーカー植え込みやシャント再増設などの外科的介入を要した症例は、BV群15例中5例(33%)、UV群15例中11例(73%)であった。【考察】単心室循環患者に対するECMO管理は低月齢で必要となる頻度が高く、高頻度に出血や感染症の合併症を認めた。単心室循環患者は心機能以外にも血行動態の問題が残存しており、外科的介入が必要な症例が多く、積極的に病態評価・治療介入を行うことが重要と考えられる。
