講演情報

[II-OR18-05]駆動圧がないFontan循環の心房機能は、reservoir strainが鍵を握る

岡 秀治, 柴垣 有希, 中右 弘一 (旭川医科大学 小児科学講座)
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キーワード:

Fontan循環、心房機能、stiffness

【背景】Fontan患者の心房機能は運動耐容能や生命予後に寄与することが報告されている。心房機能の多くはストレイン値で評価されるが、一方で心房の硬さ(stiffness)も重要な要素であるものの、あまり評価されていない。【目的】Fontan患者における心房機能ならびに心房stiffnessを評価すること。【方法】2022年から当院で心臓MRI検査を行ったFontan患者12名(年齢2-23歳)と川崎病や胸痛精査で異常がなかった患者10名(年齢9か月-18歳)を対照群として検討した。心臓MRI検査のシネ4腔画像から、心房が最も大きい断面を選択し、心房ストレイン値を評価した。また心臓カテーテル検査の肺動脈楔入圧波形からv波とx谷の値を求め、既報を参考に心房stiffnessを算出した[心房stiffness=PAWP(v)-(x)/reservoir strai。【結果】両群で年齢や体格に差はなく、Fontan患者でCVPが高値、心係数が低値であった(CVP; 10.5 vs 4.0 mmHg, p<0.001. CI; 3.0 vs 3.8, p=0.028)。心房機能のreservoir strainとpump strainはFontan患者で低値であり(reservoir; 16.7 vs 26.2%, p=0.002. pump; 6.2 vs 18.7%, p<0.001)、conduit strainに差はなかった(conduit; 9.9 vs 8.5%, p=0.923)。心房stiffnessは、両群で差を認めなかった(0.2 vs 0.2, p=0.571)。【考察】Fontan循環は肺循環への駆動圧がないため、v波とx谷の差が生じにくい。そのため心房reservoir機能が低下していても、心房stiffnessの定量的な評価には変化が現れにくいことがわかった。【結論】Fontan患者では、心房のreservoirとpump strainの低下が認められた。心房圧を考慮したstiffnessは駆動圧がないことにより評価が難しく、心房機能にはreservoir strainを用いることが妥当である。