講演情報

[II-OR19-02]重症大動脈弁狭窄症の胎児治療と出生後経過

金 基成1, 石川 和1, 羽田 瑠美1, 酒井 瞭1, 浦田 晋1, 三崎 泰志1, 佐々木 大輔2, 永松 優一3, 小野 博1 (1.国立成育医療研究センター 循環器科, 2.北海道大学病院 小児科, 3.榊原記念病院 小児循環器内科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

重症大動脈弁狭窄、胎児治療、二心室修復

【目的】胎児期に左心低形成症候群 (HLHS) へ進展することを予防する目的に重症大動脈弁狭窄 (CAS) に対する胎児期バルーン大動脈弁拡張術 (fBAV)が行われる。本邦では「重症大動脈弁狭窄症に対する胎児治療の早期安全性試験」が日本胎児心臓病学会主導で2019年から開始された。当院で施行を試みた4例の経過を報告する。【症例1】在胎25週6日にfBAVを合併症なく完遂した。児は在胎38週6日、体重3725gで出生した。日齢2に経皮的大動脈弁形成術を行ったが、その後の左室発育が乏しく単心室修復の方針としたNorwood/Glenn手術を経て、2歳でFontan手術に到達した。【症例2】在胎31週5日にfBAVを合併症なく完遂した。児は在胎37週2日、体重2780gで出生した。日齢0に経皮的大動脈弁形成、日齢14に外科的大動脈弁形成術を行い、二心室循環が成立した。【症例3】在胎27週4日にfBAVを合併症なく完遂した。術後4週時に左室内に血栓様のエコー像を認め、その後に左室低形成が顕在化した。出生後はHLHSとして管理され、心房間交通拡大と両側肺動脈絞扼術を経てNorwood/Glenn手術を行った。その後Intrapulmonary artery septationを経て、Fontan手術を目指し管理中である。【症例4】在胎29週2日にfBAVを試みるも、ガイドワイヤーが大動脈弁を通過せず断念した。児は在胎37週2日に出生し、日齢0に経皮的大動脈弁形成術、日齢7に外科的大動脈弁形成・両側肺動脈絞扼術とともに、fBAVに起因すると考えられる左室仮性瘤切除を行った。その後4ヵ月時にRoss手術を行い二心室循環を達成したが、術後胸水が遷延し5カ月時に死亡した。【結論】4例中3例で手技を完遂した。手技を完遂した3症例は全例生存し、二心室循環が成立したのは1例であった。手技完遂できなかった1症例は二心室修復術を行ったものの乳児死亡となった。今後も症例を蓄積しながら遠隔予後の評価を継続する必要がある。