講演情報

[II-OR19-06]スクリーニングで胎児左心室サイズが小さいとされた症例の診断と転帰

寺町 陽三1, 前野 泰樹2, 大津 生利衣1, 山川 祐輝1, 清松 光貴1, 鍵山 慶之1, 高瀬 隆太1, 須田 憲治1 (1.久留米大学 医学部 小児科学講座, 2.聖マリア病院 新生児科)
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キーワード:

胎児、左心室低形成、大動脈縮窄症

【背景】左心低形成症候群は左心系が低形成となる代表的な心疾患である一方で、左心室のみが低形成でその他の異常を認めない症例においては健常例と出生後に治療が必要とされる重篤な疾患が混在する。【目的】複雑心奇形のない胎児左室が低形成とされた症例の診断・転機を明らかにする【方法】2021年1月から2025年12月の5年間で当院に受診した妊婦のうち1次スクリーニングで左心室が小さめと判断され、胎児心エコー精密検査でLV/RVの横径比<0.8を対象とし、左心低形成症候群をはじめとした複雑心奇形は除外した。胎児期に各弁輪径、血管径, 両心室横径・面積、isthmus血流方向をそれぞれ測定して、出生後の治療の有無を調査した。【結果】対象は8例でいずれも染色体異常を示唆する臨床所見は認めなかった。治療介入が必要であったのは4例(CoA complex 3例、ASD+P-LSVC 1例)であり、P-LSVCの1例、CPAMの1例、正常例の2例は治療の必要がなかった。検査時の在胎週数は中央値で31.5週であった。MV<-2.0SDの5例のうちCPAM 1例を除く4例で出生後に治療が必要であり、LVDd/RVDd<0.55の6例のうち4例で出生後に治療が必要であった。AoV/PAV, aAo/MPAともに<0.65では6例のうち4例で治療が必要であった。Ithmusの逆流がみられたのは4例でうち3例は治療介入が必要であった。LV/RV面積比<0.65の3例はすべてCoAの症例であった。【結語】左室サイズが小さいとされた症例の中には、複雑心奇形を除外しても出生後に治療介入を要する症例が含まれていた。僧帽弁径やLVDd/RVDd比、面積比、isthmus逆流所見は治療必要性の評価に有用である可能性が示唆されたが、単一指標による判断には限界があり、複数所見を踏まえた慎重な経過観察が重要と考えられた。