講演情報

[II-OR20-03]抗菌薬使用と川崎病発症との関連:JMDCデータベースを用いた症例対照研究

今井 侑樹1, 鈴木 孝典2, 今村 駿2, 石丸 聡一郎2, 平井 雅之2, 木曽原 悟2, 道端 伸明3 (1.刈谷豊田総合病院 臨床研修センター, 2.刈谷豊田総合病院 小児科, 3.千葉県がんセンター研究所 がん予防センター)
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キーワード:

Kawasaki disease、Antibiotic exposure、Case-control study

【背景】川崎病は5歳未満の小児に好発する原因不明の血管炎である。近年、腸内細菌叢の異常が川崎病発症に関与する可能性が報告され、抗菌薬による腸内環境の変化がリスク因子となることが示唆されている。本研究では、抗菌薬の種類、使用数、投与経路と川崎病発症との関連を検討した。【方法】2005~2024年のJMDCデータベースを用いた症例対照研究を実施した。川崎病患者(n=17,410)に対し、年齢・性別・出生年をマッチさせた対照を1:4の比率で設定し(n=68,621)、多変量条件付きロジスティック回帰分析を行った。【結果】ペニシリン系(OR: 1.18; 95% CI: 1.11-1.24)、セフェム系(OR: 1.11; 95% CI: 1.05-1.18)、キノロン系(OR: 1.32; 95% CI: 1.13-1.55)、マクロライド系(OR: 1.16; 95% CI: 1.05-1.27)使用が川崎病発症と有意に関連した。使用した抗菌薬の種類(クラス)が多いほどリスクは上昇し(3クラス以上使用時:OR 1.20[95% CI 1.15-1.26])、一方で、静注抗菌薬と比較して経口抗菌薬の使用も有意な関連を示した(OR 1.22[95% CI 1.16-1.27])。その他の因子としては、低出生体重児(OR: 1.12-1.13)、肺炎の合併(OR: 1.09; 95% CI: 1.02-1.16)、中耳炎の合併(OR: 1.08; 95% CI: 1.03-1.13)、アレルギー性鼻炎の既往(OR: 1.07; 95% CI: 1.02-1.11)、喘息の既往(OR: 1.04; 95% CI: 1.00-1.09)が川崎病発症と有意に関連した。【結論】抗菌薬曝露、特に複数クラスおよび経口投与は川崎病発症リスク上昇と関連し、腸内細菌叢変化を介した病態関与が示唆された。