講演情報

[II-OR20-05]川崎病における冠動脈輝度定量化アプリの開発と検者間再現性の検討

岩島 覚1, 増井 大輔2, 山下 尚人3, 八木 耕平4, 佐藤 慶介5, 宮城 佳史6 (1.中東遠総合医療センター 小児循環器科, 2.浜松医科大学 小児科, 3.宮崎県立宮崎病院 新生児科, 4.宮城県立こども病院 循環器科, 5.静岡県立こども病院 循環器科, 6.榛原総合病院 小児科)
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キーワード:

川崎病冠動脈輝度、アプリ開発、python

【背景】我々は、川崎病(KD)における冠動脈輝度定量評価について報告した(CR-25-0247)。本研究では、KD冠動脈輝度定量化アプリを開発し、その検者間再現性および妥当性について検討した。【方法・結果】右冠尖に設定した3点の参照ROIから画素値の平均値および標準偏差(Mean±SD_Reference_Pixel_Value)を算出し、冠動脈ROIのZ scoreを求めるMATLABアプリを、Pythonアプリへ移植した(Figure)。KD冠動脈画像20症例を対象に、冠動脈輝度定量値について級内相関係数(ICC)を用いて検者間差を評価した。解析は3名の検者(小児循環器専門医2名、非専門医1名)で行い、計測について論文(CR-25-0247)を読了した専門医A、口頭説明のみの専門医B、ならびに論文を読了した非専門医Cの測定結果を比較した。その結果、論文を読了したAとCの検者間比較では、冠動脈輝度指標(Mean、Median_Pixel_Z_score)に有意な系統差は認めなかった。ICC(3,1)はMean 0.79、Median 0.83と中等度から良好な一致を示し、特にMedian_Pixel_Z_scoreが高い再現性を示した。一方、論文を読了したAと未読のBの比較では、平均値に有意な系統差は認めなかったものの、再現性は低下し、ICC(3,1)はMean 0.29、Median 0.33、にとどまった。主観的に冠動脈輝度亢進と判断される症例では検者間でMean、Median_Pixel_Z_score高値が一貫して再現され、本指標が病的信号に対して構成概念妥当性が支持された。【考察】参照ROI由来のMean±SD_Reference_Pixel_Valueはpixel ROIの選択差により一致性は低いものの、MeanおよびMedian_Pixel_Z_scoreでは相対的輝度評価の再現性が担保されることが示された。本手法は解析環境や検者間の差異の影響を受けにくく、参照ROI設定の標準化および適切な教育を前提とすることで、多施設・多検者での応用が可能と考えられる。KDにおける冠動脈輝度定量評価の実臨床導入に向けた重要な基盤的検討となる。