講演情報
[II-P19-05]精神発達遅滞に伴う偏食が脚気心を生じ、重度の肺高血圧症に進展した臨床像
○渋谷 英太郎, 竹中 颯汰, 安田 昌広, 木村 瞳, 小山 智史, 篠原 務 (名古屋市立大学病院 医学研究科 新生児・小児医学分野)
キーワード:
肺高血圧、脚気、精神発達遅滞
【背景】精神発達遅滞に伴い長期間、特定の食品のみを長期摂取することによりビタミンB1(VB1)欠乏症である脚気を来し、重度の肺高血圧と右心不全を呈した症例を報告する。【症例】15歳男児。Potocki-Lupski症候群による精神発達遅滞があり、強いこだわりから米・鮭フレーク・茶のみを長期間摂取していた。13歳頃より末梢神経障害を認めるも原因不明で、前医で経過観察されていた。下腿浮腫と歩行困難を主訴に前医を受診し、胸部レントゲンで心拡大と肺血管陰影増強を認め、心エコーで右心系拡大、左室圧排、心膜水貯留を認め、当院に精査入院となった。右心カテーテル検査で肺動脈圧68/35(47)mmHg、肺動脈楔入圧16mmHg、肺血管抵抗指数8WU・m2と上昇を認め、左心不全に伴う肺高血圧症と診断した。血中VB1低値より脚気と診断し、VB1補充と利尿剤により速やかに肺高血圧および心膜水は軽快した。VB1を茶に溶解して内服継続することで再燃なく神経症状も改善した。肺高血圧の再増悪を予測するためのフォローの右心カテ結果を含めて報告する。【考察】精神発達遅滞に伴い偏食を有する小児では、食事内容の定期的評価とVB1欠乏の早期スクリーニング、嗜好に配慮した補充方法の工夫が脚気および続発性肺高血圧症の予防に重要である。
