講演情報

[II-P19-08]急性肺血管反応性試験陽性の小児特発性肺動脈性肺高血圧症におけるカルシウム拮抗薬使用例を含む3例

山路 棟康, 稲熊 洸太郎, 豊田 直樹, 石原 温子, 白井 丈晶 (兵庫県立尼崎総合医療センター 小児循環器内科)
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キーワード:

特発性肺動脈性肺高血圧症、急性肺血管反応性試験、カルシウム拮抗薬

[背景]小児の特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)は治療薬の進歩により生命予後が改善している。肺血管拡張薬は、プロスタサイクリン経路、一酸化窒素経路、エンドセリン経路の3系統に分類され、近年では各経路を組み合わせた多剤併用療法が小児症例においても広く用いられている。一方、心臓カテーテル検査における一酸化窒素吸入を用いた急性肺血管反応性試験(AVT)陽性例では、カルシウム拮抗薬の使用が推奨されているが、小児症例では安全性や適応に関する経験が限られており、国内における使用報告は少ない。今回、カルシウム拮抗薬が効果的であった症例を含めた小児のIPAHの3例を経験したため、報告及び考察する。[症例]いずれの症例も基礎心疾患や肺疾患などの二次性肺高血圧症を示唆する所見は認めなかった。症例1はAVT陰性であり、PDE5阻害薬、エンドセリン受容体拮抗薬、プロスタサイクリン製剤による3剤併用で管理している。症例2および症例3はAVT陽性であった。症例2はPDE5阻害薬使用下で一酸化窒素吸入薬の終了に難渋したが、アムロジピンベシル酸塩導入後に循環動態が安定し、エンドセリン受容体拮抗薬を追加することで吸入療法の終了が可能となった。症例3はアムロジピンベシル酸塩を含む3剤併用及び在宅酸素療法で管理している。[考察]AVT陽性の小児IPAH患者において、カルシウム拮抗薬が治療薬の一つとして有効である場合がある。一方で、導入には低血圧や心機能低下などの有害事象に注意する必要がある。本症例群では、病勢に応じてカルシウム拮抗薬を含む多剤併用療法を要した症例が存在した。成長や活動度の変化を伴う小児症例では、定期的な再評価に基づき治療戦略を柔軟に見直すことが重要であり、AVT陽性症例におけるカルシウム拮抗薬の位置づけについて今後さらなる検討が必要と考えられた。