講演情報

[II-P19-10]服薬管理不良により急性拒絶を認めた特発性肺動脈性肺高血圧症の脳死肺移植例

馬場 達也, 石田 秀和, 皇甫 奈音, 末廣 友里, 林田 由伽, 長野 広樹, 加藤 温子, 石井 良, 成田 淳, 北畠 康司 (大阪大学大学院 医学系研究科 小児科学)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

特発性肺動脈性肺高血圧症、肺移植、急性拒絶

【背景】近年の肺高血圧標的治療薬の進歩により、特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)の予後は改善しているが、薬剤抵抗性のケースでは依然肺移植が必要となる。移植登録前には、移植後の服薬管理の重要性については十分な説明を行い、患者および両親がしっかり理解できた症例のみが移植適応となる。今回、肺移植後8年後に服薬管理不良となり急性拒絶を起こして管理に難渋した症例を報告する。【症例】10歳女児。7か月時に失神を契機に救急搬送されIPAHと診断された。経口3剤併用で改善なく10か月よりエポプロステノール持続静注開始。100ng/kg/分まで増量するも改善に乏しく1歳10か月時に当院紹介となった。移植後管理に関して十分な説明を行い、両親の理解を確認したうえで肺移植待機登録、2歳で脳死両肺移植を施行した。移植後経過は順調で、退院後は地元病院と連携をとりながら外来診療を継続し、拒絶や合併症なく経過していた。発達障害に関しては地元機関や保健師との連携を行っていた。8歳頃から1-2カ月に1回のペースで周期性嘔吐のため地元病院への入院を繰り返した。上部消化管造影検査など精査したが異常所見なく原因は不明であった。10歳時に嘔吐を契機に内服不良となり地元病院に入院。入院後タクロリムス内服は再開されたが、次第に酸素化が悪化し、拒絶を疑い当院転院となった。問診では入院1-2週間前よりほとんど免疫抑制薬内服をしていなかった。呼吸苦は著明で、ステロイドパルスを行ったが効果乏しく、血漿交換、IVIG、リツキシマブ、ATG投与も行った。呼吸状態は部分的に改善するも人工呼吸器の離脱は困難で気管切開を行っているが、肺の器質的障害が残存し児童養護施設への退院は困難な状況が継続している。