講演情報

[II-PD8-3]乳び胸・リンパ管障害の画像検査における動的造影MRリンパ管グラフィの役割

佐藤 慶介 (静岡県立こども病院 循環器科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

動的造影MRリンパ管グラフィ、乳び胸、リンパ管障害

【背景】動的造影MRリンパ管グラフィ(Dynamic Contrast-enhanced Magnetic Resonance Lymphangiography: DCMRL)は,リンパ管内にガドリニウム造影剤を注入し,その動態を追跡することでリンパ管の動的評価をする画像検査である.DCMRLの導入により,リンパ管シンチグラフィと比べて高い空間分解能でリンパ管の病的状態を評価することが可能となった.しかし,一般的に造影剤の注入方法が鼠径リンパ節穿刺を必要とすることから,乳び胸をはじめとするリンパ管障害を有する全症例に行うことは現実的に困難であり,対象症例を選択する必要がある.

【目的】現時点におけるDCMRLの役割を明らかにすること.

【対象と方法】対象は2019年9月から2026年3月までに当院でDCMRLを行った14例(年齢9.4±5.2歳,体表面積0.84±0.30m2)であり,リンパ管障害の種類・全身麻酔の有無・有害事象の有無・成功/不成功・治療経過などについて後方視的に比較検討した.

【結果】リンパ管障害は,乳び胸4例,乳び心膜液1例,鋳型気管支炎3例,蛋白漏出性胃腸症4例,中葉症候群疑い2例であった.全身麻酔については13例に対して導入し,有害事象は全例においてみられなかった.手技は11例で成功,2例で部分的成功,1例で不成功であり,不成功の症例は局所麻酔症例であった.リンパ管病態が判明した13例については,DCMRLに基づいた治療の計画が可能であり,7例でリンパ管治療,1例で胸膜癒着,5例で内科治療継続を選択した.なお,リンパ管シンチグラフィ(Lymphatic Scintigraphy: LS)は全例において行われたが,いずれもDCMRLによって詳細な診断が可能であった.

【まとめ】DCMRLは空間分解能が高く,LSの所見を補完するものであった.一方で,LSの所見からDCMRLの計画を行っている側面もあり,現段階ではLSで全体的な病態を把握し,DCMRLで詳細な診断を行ったうえで治療へと結びつけていくことが妥当であるものと考えた.