講演情報

[II-PD8-4]低体重児を含む小児心臓手術後乳糜胸水に対するICG蛍光法を用いた治療経験

小澤 秀登1, 荒木 幹太1, 石津 寛治1, 川崎 有希2, 藤野 光洋2, 佐々木 赳2, 中村 香絵2, 鈴木 嗣敏2, 杉山 央2, 鍵崎 康治1 (1.大阪市立総合医療センター 小児心臓血管外科, 2.大阪市立総合医療センター 小児循環器・不整脈内科)
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キーワード:

術後乳糜胸水、ICG蛍光法、低体重児

【背景】先天性心疾患術後の乳糜胸水は入院期間を延長させる重要な合併症であり、特に低体重児では治療選択や外科的介入の判断に難渋する。内科的治療抵抗例では外科的治療が選択されるが、乳糜漏出部位の正確な同定が課題である。我々は、ICGを用いた蛍光内視鏡カメラにより漏出部位の同定が容易になることを報告してきたが、正確な同定には漏出開始時点での術野観察が重要である。今回、症例を重ねる中で得られた知見を報告する。【対象】2023年以降に当院で施行した全心臓手術396例を後方視的に検討した。術後ドレーン排液量増加が予想される症例に対し、第XIII因子値を測定後に、第XIII因子製剤補充を150例に行い、改善に乏しい、あるいは乳糜が疑われる症例では脂肪制限または絶食管理を25例に施行した。術後乳糜胸水は9例(2.3%)に認め、リンパ管造影は4例で施行した。内科的治療抵抗性の3例に外科的治療を行い、体重が1.1kg、3.0kgの新生児2例と8.4kgの幼児1例であった。【方法】リンパ管造影は99mTc-HAS-Dを第1、2趾間部より皮下投与し、漏出部位が描出されるまでの時間を測定した。手術時には同部位からICG(2.5mg/mL)を新生児0.1mL、幼児0.3mL投与し、蛍光内視鏡で漏出部位を同定し、結紮閉鎖した。この際に、漏出確認までの時間を記録し、リンパ管造影時の漏出時間と比較した。【結果】リンパ管造影での漏出確認までの時間は2分、20分、26分と症例ごとに差を認めた。一方、術中ICG投与後の漏出確認時間は2分、30分、30分(本症例は、観察開始時が30分であり、その時点で漏出を確認できた)であり、全例でリンパ管造影における漏出時間は術中ICG漏出確認の参考となった。【まとめ】低体重児を含む少数例の検討ではあるが、リンパ管造影における漏出までの時間は、術中ICG投与および観察タイミングを判断する実用的な指標となり得る。ICG蛍光法は低体重児においても乳糜漏出部位同定に有用であると考えらた。