講演情報
[II-PD9-1]JACPHR前向きレジストリ研究からみたFontan術後患者の心血管イベントリスクと肺血管拡張薬使用の実態
○石田 秀和1, 石井 卓2, 内田 敬子3, 細川 奨4, 高月 晋一5, 住友 直文6, 福島 裕之7, 小垣 滋豊8, 山岸 敬幸9, 土井 庄三郎10 (1.大阪大学大学院 医学系研究科小児科学, 2.東京科学大学 小児科, 3.東京医科大学 細胞生理学, 4.武蔵野赤十字病院 小児科, 5.東邦大学医療センター大森病院 小児科, 6.慶應義塾大学 医学部 小児科, 7.東京歯科大学市川総合病院 小児科, 8.大阪急性期・総合医療センター 小児科・新生児科, 9.東京都立小児総合医療センター, 10.東京科学大学)
キーワード:
肺高血圧、フォンタン、レジストリ
【背景】
高肺血管抵抗を伴うFontan術後症例の予後や肺高血圧標的治療薬の有効性については、未だ不明な点が多い。これまで我々は、先天性心疾患を伴う肺高血圧症例の多施設共同症例登録研究(JACPHR)における後方視的観察研究から肺高血圧標的治療薬の有効性について報告してきたが、今回、フォローアップデータを用いた前向き観察研究の結果から、高肺血管抵抗を伴うFontan術後症例の心血管イベントリスクについて解析した。
【方法と結果】
2021年8月から2025年8月までにJACPHRに登録された480例のうち、登録時にFontan術が完了していて、かつ1回以上のフォローアップ入力がなされている75例を対象とした。男性37例、女性38例、左室型43例、右室型31例。登録時年齢中央値は10.1歳(Interquartile range, IQR: 5.4-15.5)で、登録時mPAPは12mmHg (IQR: 11-15)、PVRIは2.7WU・m2 (IQR: 1.9-3.3)であった。標的治療薬は、3剤併用5例(7%)、2剤併用20例(27%)、単剤31例(41%)、投薬無し19例(25%)であった。1年、2年、3年の心血管イベントフリー生存率はそれぞれ、97%、96%、91%であり、心血管イベント発生に関わるリスク因子としてmPAP 15mmHg以上(p=0.023)、PAWP 10mmHg以上(p=0.0021)があげられた。主心室型、PVRI、BNPに関しては有意差を認めず、Qsが高い群で予後不良な傾向が認められた。標的治療薬の投与の有無に関しては有意差を認めなかった。
【結語】
JACPHRにおける継続的なフォローアップデータの登録により、前向き観察研究として高肺血管抵抗を有するFontan術後患者の予後リスク層別化が可能になるとともに、肺高血圧標的治療薬の有効性が明らかになってくるものと考えられる。
高肺血管抵抗を伴うFontan術後症例の予後や肺高血圧標的治療薬の有効性については、未だ不明な点が多い。これまで我々は、先天性心疾患を伴う肺高血圧症例の多施設共同症例登録研究(JACPHR)における後方視的観察研究から肺高血圧標的治療薬の有効性について報告してきたが、今回、フォローアップデータを用いた前向き観察研究の結果から、高肺血管抵抗を伴うFontan術後症例の心血管イベントリスクについて解析した。
【方法と結果】
2021年8月から2025年8月までにJACPHRに登録された480例のうち、登録時にFontan術が完了していて、かつ1回以上のフォローアップ入力がなされている75例を対象とした。男性37例、女性38例、左室型43例、右室型31例。登録時年齢中央値は10.1歳(Interquartile range, IQR: 5.4-15.5)で、登録時mPAPは12mmHg (IQR: 11-15)、PVRIは2.7WU・m2 (IQR: 1.9-3.3)であった。標的治療薬は、3剤併用5例(7%)、2剤併用20例(27%)、単剤31例(41%)、投薬無し19例(25%)であった。1年、2年、3年の心血管イベントフリー生存率はそれぞれ、97%、96%、91%であり、心血管イベント発生に関わるリスク因子としてmPAP 15mmHg以上(p=0.023)、PAWP 10mmHg以上(p=0.0021)があげられた。主心室型、PVRI、BNPに関しては有意差を認めず、Qsが高い群で予後不良な傾向が認められた。標的治療薬の投与の有無に関しては有意差を認めなかった。
【結語】
JACPHRにおける継続的なフォローアップデータの登録により、前向き観察研究として高肺血管抵抗を有するFontan術後患者の予後リスク層別化が可能になるとともに、肺高血圧標的治療薬の有効性が明らかになってくるものと考えられる。
