講演情報
[II-PD9-2]肺血管拡張薬を適応とすべきFontan循環の特徴~運動負荷心臓カテーテルからみえてくるもの
○東 浩二, 石井 徹子, 佐藤 要, 坂本 真季子, 古賀 健太郎, 西畑 綾夏, 中島 弘道, 青墳 裕之 (千葉県こども病院 循環器内科)
キーワード:
フォンタン、EPH、Ex-Cath
【背景】運動負荷心臓カテーテル検査(Ex-Cath)は、運動誘発性肺高血圧(EPH)における前毛細血管性と後毛細血管性の鑑別に有用である。フォンタン循環においても運動時の血行動態に関する報告は散見されているが、十分な検討はなされていない。【目的】フォンタン患者を対象にEx-Cathを用いてEPHの有無およびその病態を検討する。【方法】対象はフォンタン患者13例(中央値13.8歳、肺血管拡張薬投与例なし)。呼気ガス分析併用下で臥位エルゴメーターによるEx-Cathを施行した。Zederらの報告に基づき、Δmean PAP/ΔQpが3.0 mmHg/L x min以上をEPHと定義し、ΔTPG/ΔQpが1.2 mmHg/L x min以上を前毛細血管性要素、ΔPAWP/ΔQsが2.0 mmHg/L x min以上を後毛細血管性要素と定義した。【結果】安静時のQp、Qsは各々2.6±0.6、2.9±0.7 L/min/m2、負荷時は4.1±0.9、4.6±1.0 L/min/m2に増加した。安静時のmean PAP、PAWPは各々10.2±1.6、6.5±1.5 mmHg、負荷時は18.1±3.1、13.4±3.6 mmHgに上昇した。Δmean PAP/ΔQpは4.4±2.0 mmHg/L x minであり、EPHを9例(69%)に認めた。ΔTPG/ΔQpは0.5±1.1 mmHg/L x min、前毛細血管性要素が2例(15%)、ΔPAWP/ΔQsは3.9±2.7 mmHg/L x min、後毛細血管性要素が10例(77%)だった。【結語】安静時の検査だけでは見逃されるフォンタン患者の潜在的な血行動態異常としてEPHが約7割の症例にみられた。フォンタン循環におけるEPHの病態は後毛細血管性要素が主体だが、一部で前毛細血管性要素も混在する病態であることが示唆された。Ex-Cathによる病態の層別化は、肺血管拡張薬が奏功する「是」の症例とPAWP上昇を助長する「非」の症例を鑑別する上で有用な指標となる可能性がある。
