講演情報

[II-PD9-4]Fontan術後症例における肺血管拡張薬による側副血管血行動態への影響

田尾 克生1,2, 石川 友一3, 伊川 泰広1, 佐藤 正規2, 倉岡 彩子2, 佐川 浩一2 (1.金沢医科大学 小児科, 2.福岡市立こども病院 循環器科, 3.医療法人みなとみらい 循環器画像診断部門)
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キーワード:

肺高血圧治療薬、側副血管、血管抵抗

【背景】failing Fontan 症例は高肺血管抵抗に伴う高CVPを呈し、肺高血圧治療薬(PVD:pulmonary vasodilators)が用いられることが多い。PVDが好ましく作用する例もある一方、体肺側副血流(SPC-Flow)増大から心不全に陥る症例もいる。不定な効果の背景因子として血管抵抗に着目し、SPC、肺血管および体血管の各抵抗のPVD内服に伴う変化とSPCF増加との関連を調査した。【方法】福岡市立こども病院にて2024年10月までの10年間にPVD導入前後の心カテおよびCMRを施行したFontan術後24症例を、S群13例(SPCF増加がPVD投与前の2倍未満)とL群11例(同2倍以上)に分け比較した。Fontan術後に心カテとCMRを共に2回以上施行した6例のPVD未導入症例を対象とした(C群)。【結果】内服前/後の評価時年齢はS群8.6±3.7/12.7±4.1歳、L群6.4±3.4/7.5±5.7歳で、C群(2回の検査時年齢)は5.9±1.7/7.8±2.1歳であった。内服前のSPCF(S:0.49±0.41、L:0.52±0.38、C:0.42±0.30 L/min・m2、P =0.86)、SPC血管抵抗とも差はなかった(S:226±166、L:186±84、C:209±137WU・m2、P =0.97)。変化値(差)では肺血管抵抗(S:-0.86±0.94、L:-0.66±0.41、C:0.60±0.34 WU・m2、P =0.003)にS/L群間に差はないが、C群とS/L両群との間に有意差を認めた。SPC抵抗は有意にL群で低下した(S:26.5±223、L:-137±73.9、C:27.8±70.3 WU・m2、P =0.01)肺動脈圧はS群で有意に低下し、大動脈圧はL群でより低下傾向であった。(Δ肺動脈圧 S:-1.8±1.2、L:-0.7±1.2 、C:0.17±1.9 mmHg、P =0.03、Δ大動脈圧 S:6.4±10.9、L:-3.4±10.7、C:2.3±11.9mmHg、P=0.10)【考察】PVD内服により側副血流が著増するFontan術後症例は、肺動脈よりも側副血管や体動脈のPVD感受性が大きい可能性がある。前回SPCF著増群でEF、体血流が低値と報告したことと対照すると、なんらかの不全心代償機転がPVD効果に関与していると推測される。