講演情報
[II-SPS-3]CVPと術後期間を統合したFontan indexによるFALD評価
○松本 一希1,3, 鈴木 謙太郎1, 朱 逸清1, 佐藤 純1, 山本 英範1, 大橋 直樹1, 櫻井 一2,4, 西川 浩3, 大河 秀行4, 櫻井 寛久4,5 (1.名古屋大学病院 小児循環器センター 小児科, 2.名古屋大学病院 小児循環器センター 心臓血管外科, 3.JCHO中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科, 4.JCHO中京病院 中京こどもハートセンター 心臓血管外科, 5.あいち小児保健医療総合センター 心臓血管外科)
キーワード:
FALD、Fontan、Fontan index
【背景】Fontan術後に問題となるFontan-associated liver disease(FALD)は、遠隔期に高い中心静脈圧(CVP)へ長期間曝露されることで発症すると考えられており、一般的に術後10年以降に注意が必要とされている。しかし、CVPの程度によりFALD発症までの期間は異なる可能性がある。そこで本研究では、CVPと術後期間を統合した新たな指標としてFontan index(CVP×術後期間)を提唱し、FALDとの関連を検討した。【対象・方法】1995年3月から2025年4月までに当院でFontan手術を施行した232例を対象とした。FALDは腹部超音波検査(AUS)でhigh echo spotまたはSOLを認めた症例と定義し、術後から腹部所見を認めるまでの期間におけるFontan indexを算出した。【結果】232例中、AUSの記録が得られたのは103例でFALDの定義を満たした症例は42例であった(男性20例、女性22例)。FALD診断時年齢は平均24.9歳、術後18.8年であり、経過中に肝細胞癌を2例、肝細胞癌疑いを1例に認めた。Fontan indexの平均は241であった。初回のエコーでFALDの診断となった例が33例であった。FALDのonsetを評価するため複数回のAUS後にFALDの定義を満たした9例(F群)と、FALDを認めなかった61例(NF群)を比較すると、Fontan indexはF群で高い傾向を示した(中央値[IQR]295[255-327] vs 225[187-286]、p=0.09)。ROC解析ではAUCは0.68であり、最適カットオフ値は255 mmHg・year(感度0.78、特異度0.66)であった。Fontan index ≧255をhigher Fontan index groupと定義すると、FALDとなるオッズは有意に高かった。(OR 6.67、p=0.025)【結論】CVPと術後期間を統合したFontan indexという新たな指標を用いることで、FALD発症が単なる術後経過年数ではなく、CVP曝露の累積に関連する可能性を示され、そのカットオフ値は255であった。
