講演情報
[II-SY5-3]複雑先天性心疾患の手術術式の決定を支援する心臓シミュレータ“ped UT-Heart” の開発(第5報):医師主導治験の開始
○白石 公1,2, 磐井 成光1,2, 黒嵜 健一1,2, 帆足 孝也2, 坂本 喜三郎2, 小田 晋一郎2, 笠原 真悟2, 山岸 敬幸2, 鷲尾 巧2,3, 久田 俊明2,3 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器内科, 2.AMED医療機器開発推進研究事業研究班, 3.東京大学大学院新領域創成科学研究科)
キーワード:
デジタルツイン、仮想手術、コンピュータシミュレーション
我々は東京大学が開発した心臓シミュレータ“UT-Heart”を基に、小児先天性心疾患に見られる血行動態異常に対応する形で、患者の心電図、心エコー、心臓CT、心カテーテル所見から、心収縮、圧所見、血流速、酸素飽和度、血流エネルギー損失、電気的興奮伝搬をin silicoで再現する "ped UT-Heart"を開発した。すでに探索的臨床試験(jRCTs052210139)を終え、外科手術を実施した12例において、本機器の有用性と安全性を確認した(本学会で発表済み)。今回は医療機器承認に向けた前向き、単群、非盲検、介入、多施設による医師主導治験を2025年12月26日より開始した(jRCT2052250176)。全国6施設により実施し、目標症例数は20例、主要評価項目は術者による術式選択の有用性の術後総合評価(5段階Likert scaleでEssentialもしくはVery usefulの割合が60%以上、95%信頼区間の最小値が30%以上)とする。抄録作成時に修正大血管転位・高度肺動脈狭窄例と三尖弁狭窄・右室低形成例の解析が予定されている。更に術前シミュレーションの検証(実測値との比較)、再現性試験として画像処理およびコンピュータ解析に携わるオペレータ間および内での差異の検証、および術後シミュレーションの検証(Qp/Qs, Pp/Ps, RVEDV/LVEDV, SaO2の比較)を実施する。既存の10症例で行われた後ろ向き術後シミュレーションの検討では、シミュレーション結果は患者データと良好に相関し、Bland-Altman分析で全値LOA内(添付データ、mean±1.96SD内)であった。今後は治験を継続して着実に実施し、治験症例における再現性試験、および術後1年の心カテ検査を用いた術後シミュレーション値を検証し、管理医療機器申請に繋げる。本研究開発はAMED医療機器開発推進研究事業の支援のもと、(株)UT-Heart研究所、(株)クロスメディカル、Q’sfix (株)との共同開発による。演者は症例のコンピュータ解析を担当した霜仁世氏(Q’sfix社)に深謝します。

