講演情報
[II-SY6-4]細胞外小胞内microRNAバイオマーカーによる小児発熱性疾患からの川崎病鑑別診断
○仲岡 英幸1, 原 朱音2, 坂井 知英1, 西山 真未1, 坪井 香緒理1, 岡部 真子1, 伊吹 圭二郎1, 小澤 綾佳1, 廣野 恵一1 (1.富山大学 医学部 医学科, 2.富山大学 薬学部 医薬品品質保証・評価学講座)
キーワード:
細胞外小胞、microRNAバイオマーカー、川崎病鑑別診断
【背景】川崎病は小児に発症する全身性血管炎症候群であり、冠動脈の血管内皮障害を特徴とする。急性期には非特異的な臨床症状を呈する場合もあり、ウイルス・細菌感染症などの小児発熱性疾患との鑑別が困難な場合もある。特に不全型川崎病では診断遅延により冠動脈病変(CAL)形成のリスクが高まる。近年、炎症性疾患における細胞外小胞(EVs)に内包するmicroRNAによる免疫応答制御の重要性が注目されている。【目的】小児発熱患者の血清中EVs内microRNAプロファイルを解析し、不全型を含む川崎病と非川崎病発熱性疾患を高精度に鑑別可能なバイオマーカーを同定することを目的とした。【方法】急性期川崎病50例(4-169か月、不全型13例)および非川崎病発熱性疾患25例(4-140か月)から血清を採取し、超遠心法によりEVsを分離・精製した。EVs内microRNAについて、マイクロアレイ法を用いて2,578種類の発現量を網羅的に解析し、次元削減解析(PLS-DA)およびランダムフォレスト解析を組み合わせ、鑑別に有用なmicroRNAバイオマーカーセットを抽出した(方法1)。さらに、スコアリングシステムを構築し、鑑別精度を検証した。【結果】EVs内microRNA発現プロファイルにより、川崎病群と非川崎病発熱性疾患群は明確に分離された(結果1)。抽出したmicroRNAに基づくスコアリングシステムでは、cut-off値 -1.44以下の症例を川崎病と判定することが可能であり、本研究データセットにおいて感度・特異度はいずれも100%であった。【考察・結論】血清中EVs内microRNA発現プロファイルは、不全型を含む川崎病に特異的な病態を反映しており、本バイオマーカーを用いることで、小児発熱性疾患群の中から不全型を含む川崎病を高精度に鑑別可能であった。本診断法の臨床応用により、川崎病の早期かつ的確な診断が可能となり、CAL発症予防に寄与することが期待される。

