講演情報
[II-TPAL-6]成人先天性心疾患患者の就労に関連する因子の検討:身体機能と運動に対する不安の影響
○池田 桃子1, 神谷 健太郎1,2, 三木 隆史1, 郡山 恵子3, 岡田 明子4, 早坂 由美子5, 小板橋 俊美3, 平田 陽一郎6, 阿古 潤哉3 (1.北里大学大学院 医療系研究科, 2.北里大学 医療衛生学部, 3.北里大学 医学部 循環器内科学, 4.北里大学 看護学部, 5.北里大学病院 トータルサポートセンター, 6.北里大学 医学部 小児科学)
キーワード:
成人先天性心疾患、就労・社会参加、運動に対する不安
【背景】成人先天性心疾患(ACHD)患者は医療の進歩により長期生存が可能となった一方で,一般成人と比較し就業率が低いことが報告されている.未就業に関連する因子として年齢や疾患重症度が指摘されているが,客観的な身体機能と心理的側面を併せて検討した研究は限られている.【目的】客観的な身体機能と心理的側面として運動に対する不安を併せて検討し,就労に及ぼす影響について明らかにすること.【方法】対象は身体機能測定と運動に対する不安および就労状況に関するアンケート調査を実施したACHD患者154例とした.身体機能は,握力,等尺性膝伸展筋力,10m歩行速度,5回椅子起立テストを評価した.運動に対する不安は,運動・身体活動に対する不安の有無で評価した.対象を現在の就労の有無で2群,また職業強度(無職,座業,低強度,中強度)の4群に分類した.就労の有無に関連する因子を単変量ロジスティック回帰分析にて検討し,傾向スコアで調整後の多変量ロジスティック回帰分析および職業強度を目的変数とした順序ロジスティック回帰分析を実施した.多変量解析では,運動に対する不安または各身体機能指標を主な説明変数として,1変数ずつ投入した.【結果】就労者は130例であった.就労の有無には年齢,性別,NYHA心機能分類,運動制限,運動に対する不安,握力,10m歩行速度が有意に関連した(p<0.05).多変量解析では運動に対する不安のみが独立して関連した(調整オッズ比(OR)[95%信頼区間(CI)]:0.33[0.13-0.85]).また,職業強度を目的変数とした解析においても,同様の関連を示した(調整OR[95%CI]:0.48[0.25-0.92]).【考察】ACHD患者において心理的側面が就労制限の鍵であり,就労支援において身体的介入のみならず,心理的側面への介入の必要性を示唆する.【結論】ACHD患者において,就労有無と身体機能との関連は限定的であった一方,運動に対する不安は就労状況とより強く関連していた.
