講演情報
[II-TSY-1]22q.11.2欠失症候群に関連する心疾患の外科治療
○鵜垣 伸也, 小倉 翔太, 德永 滋士, 清水 寿和, 濱屋 和泉, 野村 耕司 (埼玉県立小児医療センター)
キーワード:
22q.11.2欠失症候群、心臓手術、術後合併症
【緒言】22q11.2欠失症候群は、円錐動脈幹異常を主とする多様な先天性心疾患を高率に合併する。本症候群における心臓手術は、解剖学的複雑性に加え、低カルシウム血症、免疫不全、気道脆弱性といった多臓器にわたる特有の随伴症状が手術成績や術後管理に大きな影響を及ぼす。本症候群に関連する心疾患の外科治療について概説する。
【特徴的な心臓手術】
ファロー四徴症(TOF):乳児期心内修復術を目指すが、早期から無酸素発作を繰り返す例や左心系発育不全例では乳児期にシャント手術を先行することがある。
肺動脈閉鎖、心室中隔欠損症(PA/VSD): 本症候群では主要体肺側副動脈(MAPCAs)を伴う症例が多く、多段階的な肺動脈統合術が必要となる。できるだけ多くの肺血管床を適切な時期に統合することによって、心内修復術(ラステリ術)後のQOL向上につながる。
大動脈弓離断症(IAA): 特にB型が多く、VSDを高率に合併する。大動脈再建術およびVSDを閉鎖する。大動脈弁低形成例では安井手術を行うことがある。
総動脈幹症(TA):ラステリ術などの心室内rerouting及び右室肺動脈再建術を行う。総動脈幹弁機能不全や大動脈弓離断合併症例では、総動脈幹弁の形成や、大動脈弓再建が必要となり手術成績が劣る。
【当院での経験】
2005年から2026年まで外科手術を受けた22q11.2欠失症候群の39例を対象とした。診断はTOF14例、PA/VSD1例、PA/VSD/MAPCA8例、IAA(B)/VSD4例、TA1人など。平均観察期間は10.7±6.1年、4例が死亡(2例が心不全、1例は喘息、1例は不明)、10年生存率は91.5±4.7%であった。現在生存35例中NYHA1度が33例(94%)と良好であった。
【結語】
22q11.2欠失症候群の心臓手術成績は向上しているが、依然として難易度の高い心臓手術症例、心臓外の問題点が遷延する症例が多く存在する。良好な遠隔期予後を得るためには、本症候群固有の併存疾患を考慮した多職種チームによる包括的なケアが不可欠である。
