講演情報

[III-PD10-4]早期胎児心疾患診断における妊娠転帰の規定因子の検討

益田 瞳, 小澤 由衣, 中村 甫, 河島 裕樹, 矢野 瑞貴, 西木 拓己, 大森 紹玄, 白神 一博, 犬塚 亮 (東京大学医学部附属病院 小児科)
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キーワード:

胎児心臓病、先天性心疾患、早期診断

【背景】本邦では妊娠22週を境界として法的対応が異なるため、胎児心疾患の診断時期が妊娠転帰に影響を与える可能性がある。本研究では診断時期と重症度が妊娠転帰に与える影響を定量的に評価し、早期診断の臨床的意義を検討する。【方法】2017-2025年に当院で胎児心エコー検査を施行した893例のうち、先天性心疾患(CHD)と胎児診断された440例を対象とした。診断時期、Allan分類による重症度(軽症・中等症・重症)、妊娠転帰を後方視的に検討した。χ2検定、傾向検定を用い、p<0.05を有意とした。【結果】妊娠22週未満での紹介は253例(28%)で、2018年20.5%から2025年29.1%へ有意に増加した(p<0.001)。妊娠22週未満でのCHD診断は97例(全CHDの22%)であった。妊娠22週未満診断症例の妊娠継続率は、軽症100%(染色体異常2例を除く)、中等症75%(27/36)、重症31%(13/42)で重症度間で有意差を認めた(p<0.001)。重症CHDの妊娠継続オッズ比は中等症比0.15(95%CI: 0.05-0.42)であった。早期診断率の上昇にもかかわらず、各重症度群の妊娠継続率に経時的変化はなかった。(中等症 p=0.43, 重症 p=0.70)【考察】妊娠22週未満診断症例において妊娠転帰は重症度と強く相関し、診断時期が早期化しても重症度別転帰は不変であった。この結果は、診断時期よりも重症度評価が転帰とより強く関連することを示唆する。早期胎児心疾患診断の臨床的意義は、正確な重症度評価と予後情報に基づく意思決定支援の機会提供にあると考えられる。多職種連携による精神的・社会的側面を含めた包括的支援を実現する診療体制の構築が重要である。