講演情報

[III-PD11-3]2000g未満の早産児に対するカテーテル治療 救命のための積極的介入

石垣 瑞彦1, 金 成海1, 佐藤 慶介1, 芳本 潤2, 満下 紀恵1, 新居 正基1, 伊藤 弘毅3, 廣瀬 圭一3, 坂本 喜三郎3, 田中 靖彦1 (1.静岡県立こども病院 循環器科, 2.静岡県立こども病院 不整脈内科, 3.静岡県立こども病院 心臓血管外科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

ステント、バルーン、橋渡し

【背景】早産・低出生体重児や重篤な心外合併症を伴う先天性心疾患では,標準的治療戦略のみでは救命困難な場合が多い.肺血流増加型病変に対する肺動脈絞扼術(PAB)や動脈管結紮術は確立されているが,その他の病態では個別性の高い治療判断が求められる.当院では2013年より施行時体重2000g未満児に対するカテーテル治療を実施している.
【方法】2026年4月までに,PDA閉鎖術6例を除く2000g未満児へのカテーテル治療20例25件(Hybrid含む)を後方視的に検討し,2000年以降の同条件下外科治療21例(PDA閉鎖148例,両側含むPAB64例除外)と比較した.
【結果】カテーテル群は出生週数32週(25-37),施行時日齢7日(0-40),体重1193g(356-1886)で,7例が1000g未満であった.治療内容はCoAステント10例,TGAに対するBAS4例,肺動脈弁下狭窄ステント3例,cAS/PSバルーン各1例,TAPVC垂直静脈ステント1例であった.確立されているBAS・弁形成を除く14例では,9例が外科治療への橋渡し,5例が外科治療との比較検討の上で選択された.転帰は生存17例,死亡3例で,4例5件で成長に伴う2000g未満での再介入(ステント再拡張)を要した.生存17例中14例が目標外科治療に到達,2例が待機中である.外科群は出生週数33週(24-37),施行時体重1780g(1105-1926)で,大動脈再建5例,TAPVC修復4例,Jatene3例などを施行し,生存16例,死亡5例であった.人工心肺使用17例中,修正35週以下5例では2例に頭蓋内出血を認め,生存2例ではてんかん・乳児スパズムを認めた.
【結論】早産低出生体重児では未熟性と疾患多様性から治療限界を含む慎重な判断が必要であるが,低侵襲なカテーテル治療は外科治療への橋渡しとして有効で,一定の救命効果を示した.特に予備力の乏しい早産児では手技の成熟を前提として,修正週数に伴う選択肢の確認,介入時期の判断,緩和ケアを含めた総合的治療戦略が重要である.