講演情報

[III-TPD1-4]小児専門施設におけるCHD女児への性教育の現状と課題

鬼頭 真知子, 鵜飼 啓, 菅原 沙織, 山田 佑也, 野村 羊示, 田中 優, 河井 悟, 吉田 修一朗 (あいち小児保健医療総合センター 循環器科)
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キーワード:

移行期医療、性教育、フォンタン妊娠

【背景】CHD患者の妊娠は疾患背景によってハイリスクになりうるが、妊娠の可否は医療者が一律に判断するものではなく、本人が納得して選択できるよう支援することが求められる。そのため、予期せぬ妊娠の予防と、妊娠の選択や妊娠後の対応に関する適切な情報提供が重要である。包括的性教育では低年齢からの継続的な教育の重要性が指摘されているが、CHD児を対象とし、移行期医療と連動した実践報告は少ない。
当科では主治医外来とは独立した移行支援外来を併設し、将来の生活設計を見据えた疾患教育を行っている。特に女児には原則として性に関連する内容を含め、希望者には発達特性に応じて助産師を中心とした多職種による性教育を実施している。
【教育的介入・結果】2023年10月から2025年12月に移行支援外来を受診した女児12人全員に当科医師から疾患理解を基盤とした性に関する説明を行った。そのうち、希望や発達特性に応じて7人に助産師性教育を、発達障害を伴う1人に心理士・保育士を含む多職種連携による性教育を実施した。介入後、多くの患者が疾患特性と性との関連を理解し、性の問題を自分に関わる課題として捉える発言がみられた。一方、助産師介入後に成人施設へ移行したフォンタン症例において、予期せぬ妊娠を1例経験した。
【考察】CHD患者の妊娠における母児の安全確保には妊娠の選択を含めた妊娠前からの継続的な教育が不可欠であるが、最終的な意思決定は本人に委ねられる。小児期からの性教育は、妊娠や出産を人生設計の一部として捉える視点を育み、疾患特性を踏まえたリスク評価や自己管理能力の基盤形成に寄与する。一方、予期せぬ妊娠症例の経験から、知識提供のみでは行動変容に十分ではない可能性や、移行後も含めた切れ目のない支援体制の重要性が示唆された。CHD女児への性教育には、本人の意思決定を支える個別的かつ多職種による早期介入、成人移行後も見据えた支援の継続が求められる。