講演情報

[競技スポーツ-A-07]アスリートにおける膝関節靭帯損傷の既往と遺伝子多型との関連性(生)

*田代 空1、アルメイダ ケトリーン1、上妻 歩夢1、出口 実1、本間 洋樹1、齋藤 未花1、竹腰 誠1、梶 規子1、岡本 孝信1、中里 浩一1、菊池 直樹1 (1. 日本体育大学)
[背景]膝関節靭帯(KEL)損傷はアスリートにとって重篤な損傷であり、損傷リスクを知ることは予防するための知見となる。KEL損傷に関する遺伝要因について、単一の遺伝子多型との関連性の報告が多く、複数の遺伝子多型を合わせて検討されたものは少ない。そこで、本研究ではアスリートを対象として靭帯損傷に関連する複数の遺伝子多型を用いて膝関節靭帯損傷との関連性を検討することとした。[方法]対象者は、アスリート378名(男性257名、女性121名)とした。アンケート調査にてKEL損傷の既往歴を調査し、医師から診断を受けた79名をKEL 群、既往歴がない299名をコントロール(CON)群とした。遺伝子解析は唾液をOragene-DNA kitを用いて採取し、靭帯組織の構造と修復などに関与する、COL5A1遺伝子rs12722多型、COL1A1遺伝子rs1107946多型、MMP3遺伝子rs679620多型、VEGFA遺伝子rs699947多型をTaqManプローブ法にて解析をした。各多型は、先行研究を基に損傷リスクが高いホモ多型を2点、ヘテロ多型を1点、リスクが低いホモ多型を0点とした。さらに、合計スコアが3点以上または3点未満に分類した。[結果]4つの遺伝子多型において、KEL群とCON群との間に有意な多型頻度の違いはみられなかった。一方、KEL群において、合計スコアが3点以上を持つアスリートの割合がCON群と比較して有意に高かった(オッズ比 = 1.80, 95%信頼区間: 1.10–3.02, p = 0.03)。[結論]COL5A1遺伝子rs12722多型、COL1A1遺伝子rs1107946多型、MMP3遺伝子rs679620多型、VEGFA遺伝子rs699947多型を用いて算出した合計スコアは、アスリートにおける膝関節靭帯損傷に関連することが示唆された。