講演情報

[03心-ポ-13]高校期の体育適応感が目標志向性を介して批判的思考態度へ及ぼす影響

*鳥井 淳貴1、中須賀 巧2 (1. 宝塚医療大学、2. 兵庫教育大学)
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本研究は、高校期の体育適応感が目標志向性を媒介し、批判的思考態度へどのような影響を与えるのかについて検討することを目的とした。調査は大学1年生157名(男性128名,女性29名)を対象に、体育適応感尺度(佐々木,2003)を独立変数、目標志向性尺度(藤田,2009)を媒介変数、批判的思考態度尺度(平山・楠見,2004)を従属変数とした仮説モデルを設定し、共分散構造分析によってモデル妥当性の検討を行った。まず、モデルのデータへの適合度は全ての指標において基準を満たす値が得られた(GFI=.983,AGFI=.943,CFI=.999,RMSEA=.016)。次に、有意なパス係数について述べる。連帯志向は、自我志向性(β=.25)を介して論理的思考への自覚(β=.23)、客観性(β=.23)、証拠の重視(β=.22)に正のパスを示した。他者と協同して体育活動を好む者は、他者比較によって自己の有能さを高めるため、あるいは勝つためのゲームプランを検討することによって、批判的思考を発揮しているのではないかと推察する。また、連帯志向および体育適応は、それぞれ課題志向性(順に β=.26,β=.40)を介して論理的思考への自覚(β=.16)、探求心(β=.37)、客観性(β=.22)に正のパスを示した。体育適応感を高めることは、協力することや自己のベストを発揮することへの重要性を理解させるとともに、このような思考プロセスが批判的思考を育むのではないかと推察する。一方で、体育適応感から批判的思考態度への直接的なパスは確認されなかった。以上より、高校期の体育適応感は目標志向性を媒介し、間接的に大学生の批判的思考態度へ影響していることが示唆された。このことは、高校期の体育授業における適応感(特に連帯志向)を高めることは、個々の達成目標に応じて批判的思考態度を包括的に高めることが可能と考えられる。