セッション詳細
[SY4]シンポジウム4_あるがままやマインドフルネスへいかに導入するか~東洋と西洋の知を活かして~
2025年6月19日(木) 18:00 〜 20:00
B会場(神戸国際会議場 3階 国際会議室)
司会:舘野 歩(東京慈恵会医科大学精神医学講座)、小野 和哉(聖マリアンナ医科大学神経精神医学教室)
メインコーディネーター:舘野 歩(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
サブコーディネーター:小野 和哉(聖マリアンナ医科大学神経精神医学教室)
メインコーディネーター:舘野 歩(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
サブコーディネーター:小野 和哉(聖マリアンナ医科大学神経精神医学教室)
マインドフルネスを取り入れた第三世代の認知行動療法の代表例としては弁証法的行動療法(以下DBT)(1993)やマインドフルネス認知療法(以下MBCT)(2001)がある。DBTとは境界性パーソナリティ障害に特化した治療法である。現実的な対人関係で起こる様々な問題行動を患者のソーシャルスキル能力の不足と捉えてそのトレーニングを徹底し、ありのままの自分を受容することを患者へ教える。MBCTとは、ただ思考が湧いたことを一歩離れて観察するというマインドフルネスの技法を取り入れ、否定的な考え、行動を繰り返さないようにすることでうつ病の再発を防ぐことを目指す。また2010年にはマインドフル・セルフ・コンパッション(以下MSC)が登場し、これはマインドフルネスストレス低減法をベースに「自分への思いやり」を明示的に扱う心理プログラムである。各治療とも「あるがまま」の自己を受け入れることを目指している。一方日本で生まれた森田療法は1919年に誕生した神経症性障害に対する精神療法で、不安に対する態度を転換しその時々の目的に則した行動を促し「あるがまま」を治療目標としている。かくも西欧で生まれた精神療法が森田療法と近似しているように見えるのは、興味深い。今回は各治療へどのように導入していくかについて討論していきたい。DBTについてはいち早く日本へ導入されている聖マリアンナ医科大学神経精神医学教室小野和哉が、MBCTについては緩和ケア領域へ発展させている慶応大学医療安全管理部/精神神経科藤澤大介が、MSCについてはいち早く日本へ導入をしている京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野の岸本早苗が、森田療法についてはその発祥の地である東京慈恵会医科大学精神医学講座の舘野歩が、それぞれ担当する。指定討論は比較精神療法に造詣が深い中村学園・黒木俊秀が担当する。今回のシンポジウムで各精神療法に対する導入の比較を通して、各精神療法の異同を浮き彫りに出来ればと考えている。
[SY4-1]弁証法的行動療法における導入方法
○小野 和哉 (聖マリアンナ医科大学神経精神医学教室)
[SY4-2]がん・緩和医療におけるマインドフルネスの可能性
○藤澤 大介1,2 (1.慶應義塾大学医学部, 2.国立研究開発法人国立がん研究センター)
[SY4-3]マインドフル・セルフ・コンパッションの概略と応用
○岸本 早苗 (京都大学大学院医学研究科)
[SY4-4]治療者はどのようにして外来森田療法へ導入するか
○舘野 歩 (東京慈恵会科大学精神医学講座)
[指定発言]指定発言
○黒木 俊秀 (中村学園大学教育学部)