セッション詳細
[SY17]シンポジウム17_身体症状症および関連症群としての機能性神経症状症(変換症)-身体症状症との関連から治療を考える-
2025年6月19日(木) 15:45 〜 17:45
E会場(神戸国際会議場 4階 402会議室)
司会:富永 敏行(京都府立医科大学大学院医学系研究科)、名越 泰秀(京都第一赤十字病院精神科(心療内科))
メインコーディネーター:富永 敏行(京都府立医科大学大学院医学系研究科)
サブコーディネーター:名越 泰秀(京都第一赤十字病院精神科(心療内科))
メインコーディネーター:富永 敏行(京都府立医科大学大学院医学系研究科)
サブコーディネーター:名越 泰秀(京都第一赤十字病院精神科(心療内科))
機能性神経症状症/変換症(Functional Neurological Symptom Disorder:FND)は,他科との連携において重要な疾患であるにもかかわらず,学会や専門誌で取り上げられることがほとんどない。また,解離との関連で論じられることが多いためか,重篤な病態というイメージがつきまとい,忌避する精神科医も多い。このような状況もあってか,脳神経内科で全ての診療を完結させようという由々しき事態も生じていると聞く。このため,本シンポジウムではFNDをテーマとした。特に,DSM-5でFNDと同じく身体症状症および関連症群(Somatic Symptom and Related Disorders: SSRD)に分類される,身体症状症(Somatic Symptom Disorder: SSD)との関連において議論したい。
FNDは,知覚脱失などの感覚系,および麻痺,けいれんなどの運動系の症状,SSDは苦痛な身体症状を特徴とする。SSDでは身体症状に過剰に注意が向き不安や強迫的なとらわれがある。FNDでは必ずしも全例ではないが,「美しき無関心」がみられるなど,当人の関心が身体に向いていないことがあるという点は,FNDはSSDと相反するように見える。
では,両者は対極に位置するのかというとそうでもない。FNDの一部は身体症状への不安や強迫的とらわれがみられ,FNDとSSDが重なった病態もある。麻痺症状のあるFNDの27%が身体化障害,9%が心気症の診断を満たしたという報告や,FNDの身体表現性障害の合併率は50%以上という報告もある。実臨床でも,SSD患者に神経学的な症状がみられることは珍しくない。
このような背景のもと,本シンポジウムでは,SSDとの差異や共通点を含めたFNDの見立てや効果的な治療法について,第一線の臨床医が論じる。
シンポジストは4名である。一人目は丸太町病院総合診療部の上田剛士氏である。救急医療にも精力的に取り組まれ,多数の執筆,講演をされている。FNDの臨床経験も豊富であり,総合診療や救急の現場での実際を講演いただく。二人目は京都府立医科大学の富永敏行で,SSDの個人および集団のCBTを実践している。FNDの精神療法に関して論じる。三人目は京都第一赤十字病院の名越泰秀で,SSDの薬物療法の報告を多数行っている。FNDに対する薬物療法について論じる。四人目は国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部の谷口豪氏である。精神科医であるが,数多くのてんかんの診療に従事されており,心因性非てんかん性けいれん(psychogenic nonepileptic seizures:PNES)にも造詣が深い。
その後,各専門家からの講演を基に,FNDについてさらに討論したい。
本シンポジウムは,参加者がFNDを積極的に診療できるノウハウを得る貴重な機会となると考える。
FNDは,知覚脱失などの感覚系,および麻痺,けいれんなどの運動系の症状,SSDは苦痛な身体症状を特徴とする。SSDでは身体症状に過剰に注意が向き不安や強迫的なとらわれがある。FNDでは必ずしも全例ではないが,「美しき無関心」がみられるなど,当人の関心が身体に向いていないことがあるという点は,FNDはSSDと相反するように見える。
では,両者は対極に位置するのかというとそうでもない。FNDの一部は身体症状への不安や強迫的とらわれがみられ,FNDとSSDが重なった病態もある。麻痺症状のあるFNDの27%が身体化障害,9%が心気症の診断を満たしたという報告や,FNDの身体表現性障害の合併率は50%以上という報告もある。実臨床でも,SSD患者に神経学的な症状がみられることは珍しくない。
このような背景のもと,本シンポジウムでは,SSDとの差異や共通点を含めたFNDの見立てや効果的な治療法について,第一線の臨床医が論じる。
シンポジストは4名である。一人目は丸太町病院総合診療部の上田剛士氏である。救急医療にも精力的に取り組まれ,多数の執筆,講演をされている。FNDの臨床経験も豊富であり,総合診療や救急の現場での実際を講演いただく。二人目は京都府立医科大学の富永敏行で,SSDの個人および集団のCBTを実践している。FNDの精神療法に関して論じる。三人目は京都第一赤十字病院の名越泰秀で,SSDの薬物療法の報告を多数行っている。FNDに対する薬物療法について論じる。四人目は国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部の谷口豪氏である。精神科医であるが,数多くのてんかんの診療に従事されており,心因性非てんかん性けいれん(psychogenic nonepileptic seizures:PNES)にも造詣が深い。
その後,各専門家からの講演を基に,FNDについてさらに討論したい。
本シンポジウムは,参加者がFNDを積極的に診療できるノウハウを得る貴重な機会となると考える。
[SY17-1]身体医が行う、身体症状症と機能性神経症状症の診療
○上田 剛士 (洛和会丸太町病院救急・総合診療科)
[SY17-2]変換症/機能性神経症状症(Functional Neurological Symptom Disorder:FND)の精神療法の工夫
○富永 敏行 (京都府立医科大学大学院医学系研究科)
[SY17-3]機能性神経症状症(変換症)の薬物療法
○名越 泰秀 (京都第一赤十字病院精神科(心療内科))
[SY17-4]PNES(心因性非てんかん発作)の治療を精神科医が引き受ける際に役立つかもしれないいくつかのポイント
○谷口 豪, 中田 千尋, 加藤 英生, 大竹 眞央, 梅田 真洋, 斉藤 聡志, 藤 雄一朗 (国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部)