セッション詳細

[SY20]シンポジウム20_抗精神病薬併用の先:単剤にできるか?いつ・どう減らす?

2025年6月19日(木) 10:45 〜 12:45
F会場(神戸国際会議場 4階 403会議室)
司会:杉山 直也(公益財団法人復康会沼津中央病院)、八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院)
メインコーディネーター:八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院)
サブコーディネーター:杉山 直也(公益財団法人復康会沼津中央病院)
統合失調症の薬物療法において抗精神病薬の2剤併用は、真のアウトカムである治療失敗のリスク低減を指標としたスウェーデンの国家規模のリアルワールドデータ解析でクロザピンに次ぎ第2位、持効性抗精神病薬注射より上位に位置していた(Tiihonen J et al. JAMA Psychiatry 2017;74:686)。日本精神科救急学会のJAST study groupによるコホート研究でも、治療失敗を指標に退院後1年間追跡した結果、2剤併用は有意にそのリスクを減じていた(Hatta et al. Asian J Psychiatry, 2022;67:102917)。2剤併用を危険視する理由の副作用面でも、フィンランドの国家規模データベースにおいて、2剤併用は単剤より用量によっては身体疾患での入院や心血管疾患での入院リスクが低いことが明らかにされている(Taipale et al. Am J Psychiatry 2023;180:377)。単剤原則は揺るぎないが、効果が得られない場合の2剤併用は、今や根拠のある臨床現場の技法と言えよう。しかし、強いドーパミン遮断が長期間に及べば、ドーパミン過感受性精神病機序の進展が懸念される。本シンポジウムでは、やむを得ず始めた2剤併用を寛解後に単剤化できるのか?できるとすればいつ、どのようにするのか?あるいは単剤化する必要はないのか?といった現場の切実な疑問を議論したい。本シンポジウムは、日本精神科救急学会の推薦を受けている。

[SY20-1]当院における抗精神病薬の減量、単剤化の検証と可能性について

藤田 潔 (桶狭間病院藤田こころケアセンター)

[SY20-2]精神科救急医療ガイドライン2022と自施設データに基づく抗精神病薬併用療法の新たな展望

森川 文淑, 直江 寿一郎 (医療法人社団圭泉会旭川圭泉会病院)

[SY20-3]維持治療として行われている抗精神病薬多剤併用は続けるべきか?止めるべきか?

三澤 史斉 (山梨県立北病院)

[SY20-4]抗精神病薬2剤併用のその先は?

嶽北 佳輝 (関西医科大学医学部精神神経科学講座)

[SY20-5]抗精神病薬の多剤併用治療~減剤・減薬を見据えて~

竹内 啓善 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)