セッション詳細

[SY22]シンポジウム22_ヒューマノイドロボット技術を活用した精神科治療の最前線:小児から高齢者までの実践と課題

2025年6月19日(木) 15:45 〜 17:45
F会場(神戸国際会議場 4階 403会議室)
司会:村松 太郎(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)、松本 吉央(東京理科大学先進工学部機能デザイン工学科)
メインコーディネーター:熊崎 博一(長崎大学医学部精神神経科学教室)
サブコーディネーター:加藤 隆弘(九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野)、吉川 雄一郎(大阪大学大学院基礎工学研究科)
最近のヒューマノイドロボット技術の発展は目覚ましい。音声認識、対話生成の技術進歩も著しく長時間対話も可能となってきている。また対話相手の状況に応じた身振り手振り、表情、視線など、多様な非言語性コミュニケーションも可能となっている。
精神科臨床においてもロボット技術の活用が待望されている。児童領域では、発達障害者のロボットへの親和性を背景に、主にコミュニケーションや生活スキル改善のためのロボットセラピー実用化のための研究が世界各地で行われ、エビデンスも蓄積されてきている。高齢者支援の分野においては介護機器だけでなく、心理的な援助を目的とした研究が進んでいる。その他、統合失調症、気分障害、不安障害領域においてもロボット技術を活用した治療開発研究が行われている。本シンポジウムでは、ロボット技術を用いた精神科治療に長年携わっている、精神科医、ロボット工学者が小児から高齢者までの実践と課題について議論し、精神神経科学の発展のために、ロボットを用いた支援が果たすべき役割について考察する。
「児童精神医学におけるロボット支援の現状」では、本分野に長年従事してきた児童精神科医が、世界各国の児童精神科領域におけるロボットを用いた支援研究の現状について概説する。また自身が現在まで行ってきた発達障害者へのロボット研究について報告する。発達障害支援においてロボットだからこそ可能な役割について考察し、ロボットが発達障害者支援に今後果たす役割について展望する。
「対話継続可能な音声認識ステム搭載ロボットの開発」では情報工学者が、自身が世界を先導してきた音声認識ステム開発の現状について概説する。また現在まで自身のシステムを用いて行っている精神障害者、高齢者への実証実験の結果を踏まえ、今後精神科医療に用いるために必要な技術開発について考察する。
「うつ病患者にロボットだからこそ可能な役割」では、うつ病治療を専門とする精神科医が、自身が行ってきた小型の人型ロボットを用いたうつ病患者診療支援の実践について報告する。また実践結果を基に、現在うつ病患者支援においロボットだからこそ可能なこと、及び今後の臨床応用への課題について提案する。
「個性の異なる複数ロボットを用いた自己開示促進」では、長年本分野に取り組むロボット工学者が、自身の開発した複数ロボットシステムの精神障害者への自己開示促進研究の現状について報告する。今後精神科領域において、多くの方に利用していただくための、課題について考察する。
「精神科診療におけるロボット導入の課題」では、現在まで15年以上本分野を先導してきた精神科医が、自身が勤務してきた総合病院、自身が院長を務めるクリニック外来にロボットを設置してきた実践例について説明する。そのうえでロボットを小児から高齢者まで使用するにあたり、今後精神科医が取り組むべき課題について考察する。

[SY22-1]児童精神医学においてヒューマノイドロボットが果たすべき役割

熊崎 博一 (長崎大学医学部精神神経科学教室)

[SY22-2]複数名と対話継続可能な音声認識ステム搭載ロボットの開発

河原 達也 (京都大学)

[SY22-3]抑うつ評価に関するロボット面接研究から考える先生転移・先生逆転移:転移から解放される未来の精神医療

加藤 隆弘 (北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室)

[SY22-4]個性の異なる複数ロボットを用いた自己開示促進

吉川 雄一郎 (大阪大学)

[SY22-5]21世紀メンタル問題の解決に向けて:ロボットの果たす役割と問題点

宮尾 益知 (どんぐり発達クリニック)

[指定発言]指定発言

上出 寛子 (京都大学大学院法学研究科)

[指定発言]指定発言

寺田 和憲 (岐阜大学大学院工学研究科)

[指定発言]指定発言

三村 將 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)