セッション詳細

[SY23]シンポジウム23_総合病院精神科での初期臨床研修・精神科専門医研修を再考する

2025年6月19日(木) 18:00 〜 20:00
F会場(神戸国際会議場 4階 403会議室)
司会:田中 裕記(国立病院機構九州医療センター精神神経科/合併精神センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部)、中神 由香子(京都大学学生総合支援機構)
メインコーディネーター:田中 裕記(国立病院機構九州医療センター精神神経科/合併精神センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部)
サブコーディネーター:中神 由香子(京都大学学生総合支援機構)
精神医学の進歩は目覚ましく、視野の広い精神科医の養成は喫緊の課題となっている。総合病院精神科は、多様な精神疾患を抱える患者への対応力、身体合併症症例への包括的な医療提供、そして地域社会との連携という点で、その一翼を担っている。一方で、総合病院精神科での医師に対する研修には様々な困難がある。
初期臨床研修は、多様な精神疾患と身体合併症を有する患者への対応、急性期・慢性期を問わず幅広い症例への対応など、膨大な量の知識と技術を短期間で習得しなければならない。専門医研修においては、全人的な医療を展開する能力と高度な専門性、研究能力を両立させ、精神医学の発展に貢献できる人材の育成が求められるが、臨床業務との両立や研究環境の整備など、様々な課題が存在する。さらに、精神科医療における倫理的な問題や、社会の変化に伴う新たな課題に対応するための能力も求められる。これらの直接的要因加えて、初期臨床研修・専門医研修の両者で重要となる多職種連携は、総合病院精神科での実践において不可欠な要素である。精神科医だけでなく、精神科以外の医師、看護師、薬剤師、公認心理師など、多様な専門職が連携することで、より包括的な医療を提供できる。加えて、院内のみならず、院外においても地域連携の文脈での多職種連携が必要とされる。また、研修プログラムの評価も肝要となり、研修医の成長を客観的に評価し、より良い教育プログラムへと繋げるための仕組みが求められる。多様な評価方法を組み合わせ、フィードバックシステムを構築することで、研修医の学習意欲を高め、質の高い教育を提供することが可能となる。
本シンポジウムを通じて、精神科医養成の質の向上に向けた新たな方策を模索する。これにより、精神医学の発展に寄与するとともに、精神疾患を抱える患者とその家族、そして社会全体のQOL向上に繋がると考える。
なお、本シンポジウムは日本総合病院精神医学会若手委員会からの企画である。

[SY23-1]総合病院精神科での初期臨床研修の現状と課題

錫谷 研 (福島県立医科大学会津医療センター精神医学講座)

[SY23-2]若手精神科医が総合病院勤務で得られること

大矢 希 (京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学)

[SY23-3]総合病院精神科の教育的価値 -一般医療と精神医療の交差点として-

松坂 雄亮1,2 (1.長崎県精神医療センター, 2.長崎大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経科学)

[SY23-4]チーム医療で精神科医と協働する公認心理師の立場から ~psychologicalな問題をどう共有していくか~

厚坊 浩史 (がん研有明病院)

[指定発言]指定発言

中尾 智博 (九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野)