セッション詳細

[SY40]シンポジウム40_短時間診療に活かす認知行動療法

2025年6月19日(木) 10:45 〜 12:45
M会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 偕楽3)
司会:菱本 明豊(神戸大学大学院医学研究科精神医学分野)、久我 弘典(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
メインコーディネーター:徳山 明広(一般財団法人信貴山病院ハートランドしぎさん)
サブコーディネーター:久我 弘典(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
定型の認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy : CBT)は、通常、1セッション約50分を必要とする。一方で、精神科外来においては通常約10分程度しか確保できないのが現状である。定型のCBTを実施しようと思えば、通常診療とは別枠を設ける必要がある。しかし、時間や部屋の確保、採算性などのハードルが高く、断念されていることが多いと思われる。
そこで、簡易型や短時間でのCBTが選択肢として挙げられることがあるが、いきなり実践するのは難しいと思う。というのも、そもそも定型のCBTのトレーニングを受けていなければ、どこが勘所なのか、何をもってCBTと言えるかといったことが分からないからである。また、短時間で要領よくCBTを実施する方が定型CBTより難しいとも感じる。このようなことを考えていると、結局CBTを敬遠してしまうようになることが多いと思う。
ただ、エビデンスレベルの高い精神療法を敬遠し続けるのは現実的ではない。日本認知療法・認知行動療法学会でも専門医制度が始まろうとしている。
そこで本シンポジウムでは、あえて定型CBTのトレーニングを受けていないということを前提にして、日常臨床でどんな工夫をすれば短時間のCBTを行うことができるのかを議論したいと考えている。
それぞれの演者は、定型CBTの概略とそのエッセンスについての発表、定型CBTを構造化は守られつつも短時間型にした「効率型CBT(Streamlined CBT : SCBT)」についての発表、構造化を緩めた「4AステップによるCBT」についての発表、面接全体にCBTの要素を組み込む工夫についての発表、そして近年注目されているアスピレーション(Aspirations)の概念を日常臨床に組み込む工夫についての発表を行う予定である。
これらの発表を踏まえて指定発言を機に、会場との議論を活発にできればと考えている。

[SY40-1]マニュアルに基づいた認知行動療法の概要とエッセンスについて

菊地 俊暁 (慶應義塾大学)

[SY40-2]認知行動療法マップを用いて短時間で行う効率型認知行動療法

梅本 育恵1,2, 久我 弘典1,2 (1.国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 2.東京慈恵会医科大学大学院医学研究科)

[SY40-3]4Aステップによる短時間CBT

徳山 明広 (一般財団法人信貴山病院ハートランドしぎさん)

[SY40-4]日常臨床における認知行動療法的なアプローチについて

樽谷 精一郎 (大阪精神医学研究所新阿武山病院)

[SY40-5]アスピレーションを日常臨床に取り入れる

林 竜也 (医療法人心葉会林こころのクリニック)

[指定発言]指定発言

大野 裕 (大野研究所)