セッション詳細
[SY47]シンポジウム47_メンタル疾患労働者強制排除地位確認等請求事件における産業精神保健学的検証
2025年6月19日(木) 8:30 〜 10:30
P会場(神戸国際展示場 1号館 2階 展示室A)
司会:黒木 宣夫(医療法人社団宣而会勝田台メディカルクリニック)、渡辺 洋一郎(横山・渡辺クリニック)
メインコーディネーター:黒木 宣夫(医療法人社団宣而会勝田台メディカルクリニック)
サブコーディネーター:渡辺 洋一郎(横山・渡辺クリニック)
メインコーディネーター:黒木 宣夫(医療法人社団宣而会勝田台メディカルクリニック)
サブコーディネーター:渡辺 洋一郎(横山・渡辺クリニック)
<日本医師会認定産業医制度産業医学研修会対象セッション>
厚生労働省は、メンタルヘルス不調により休業した労働者に対する職場復帰を促進するため、事業場向けマニュアルとして「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(2004年10月)を周知し、2009年3月、同手引を改訂した。また、労働者のメンタルヘルスを推進するためには、外来治療中や、休職・復職前後における主治医と産業医の連携強化策が求められており、医療保険制度のもとで最善を目指して診療を行う主治医と、事業場との契約の基に最適な産業保健サービスを提供する産業医が、お互いの制度の枠組みを超えて連携することは不可欠と言える。裁判事例(2021年12月23日判決)(労判1289号5頁)では、原告の復職を巡り主治医、産業医、指定医(会社指定)、リワーク担当者、保健師、人事担当者が関わり、復職を巡って主治医、産業医、会社の対応が錯綜したが、本学会総会では主治医、産業医、精神科産業医をシンポジストに、法律家に指定発言をお願いし、産業精神保健の在り方に関して検討を加える。
事案の概要:原告Xは、Y1会社に総合職正社員としてX年に入社、生産技術グループに配属された。X+1年4月、前年度の業務振返り面談が実施され、原告は、面談開始早々泣き出し、同年8月頃以降、職場において頻繁に泣き出すようになり、同年10月22日、産業医は、家族に精神科受診勧奨を勧めた。同年12月頃、業務遂行が困難となり、同年12月19日父が受診予約を取り、当日、嫌がる原告を数人で父親の車まで運び、実家近くのQ3クリニック(P1)に受診させるに至った。しかし、受診20日目にはP1医師より復職が可能な状態である旨の診断を受け、さらにQ4クリニックのP2医師からも復職可能な状態といえる旨の診断書が発行された。両医師とも「適応障害」と記載した診断書を発行した。会社P9は被告Y2(指定医)に主治医変更を依頼し、X+2年8月26日に原告を受診させた。その後はQ7 、Q8リワーク支援室でリワークプログラムを受講、同年10月24日、Y2は復職前の原告を含めた三者面談実施、X+3年3月9日会社は、復職に向け社内で検討したが、現職への復帰は難しいと判断した。
P9は、同年4月17日にY2に精神障害者保健福祉手帳を取得するための診断書を作成できるか確認、同年4月24日、Y2は、業務や職場環境に一定の配慮があれば、業務可能とする診断書を作成した。H29年5月に労働組合加入、同年6月に監督署助言があり、休職期間が1年半延長され休職期間満了自然退職ととなった事例である。会社は、通勤訓練をせず発達特性やコミュニケーションは改善していないと判断して復職不可と判断としたが、裁判では、休職事由であるコミュニケーション障害等の適応障害は改善したため、復職は産業医が復職可能と判断した時点で、復職させるべきであったとの判決となり、会社が全面敗訴となった事案である。
事案の概要:原告Xは、Y1会社に総合職正社員としてX年に入社、生産技術グループに配属された。X+1年4月、前年度の業務振返り面談が実施され、原告は、面談開始早々泣き出し、同年8月頃以降、職場において頻繁に泣き出すようになり、同年10月22日、産業医は、家族に精神科受診勧奨を勧めた。同年12月頃、業務遂行が困難となり、同年12月19日父が受診予約を取り、当日、嫌がる原告を数人で父親の車まで運び、実家近くのQ3クリニック(P1)に受診させるに至った。しかし、受診20日目にはP1医師より復職が可能な状態である旨の診断を受け、さらにQ4クリニックのP2医師からも復職可能な状態といえる旨の診断書が発行された。両医師とも「適応障害」と記載した診断書を発行した。会社P9は被告Y2(指定医)に主治医変更を依頼し、X+2年8月26日に原告を受診させた。その後はQ7 、Q8リワーク支援室でリワークプログラムを受講、同年10月24日、Y2は復職前の原告を含めた三者面談実施、X+3年3月9日会社は、復職に向け社内で検討したが、現職への復帰は難しいと判断した。
P9は、同年4月17日にY2に精神障害者保健福祉手帳を取得するための診断書を作成できるか確認、同年4月24日、Y2は、業務や職場環境に一定の配慮があれば、業務可能とする診断書を作成した。H29年5月に労働組合加入、同年6月に監督署助言があり、休職期間が1年半延長され休職期間満了自然退職ととなった事例である。会社は、通勤訓練をせず発達特性やコミュニケーションは改善していないと判断して復職不可と判断としたが、裁判では、休職事由であるコミュニケーション障害等の適応障害は改善したため、復職は産業医が復職可能と判断した時点で、復職させるべきであったとの判決となり、会社が全面敗訴となった事案である。
[SY47-1]精神科医の行う職場復帰可否の判断基準と作成する診断書についての考察
○吉村 靖司 (医療法人社団弘冨会神田東クリニック)
[SY47-2]コミュニケーション能力不足社員の症例
○南 昌秀 (コマツクリニック)
[SY47-3]メンタル疾患労働者強制排除地位確認等請求事件における検証ー精神科医/産業医の立場から
○奥山 真司 (トヨタ自動車株式会社)
[指定発言]指定発言
○吉田 肇 (天満法律事務所)