セッション詳細
[SY114]シンポジウム114_「にも包括」時代のアウトリーチから始まる多機関連携―当事者の希望を軸に―
2025年6月21日(土) 13:20 〜 15:20
F会場(神戸国際会議場 4階 403会議室)
司会:渡邉 真里子(ちはやACTクリニック)、上島 雅彦(一般財団法人竹田健康財団竹田綜合病院)
メインコーディネーター:渡邉 真里子(ちはやACTクリニック)
サブコーディネーター:上島 雅彦(一般財団法人竹田健康財団竹田綜合病院)
メインコーディネーター:渡邉 真里子(ちはやACTクリニック)
サブコーディネーター:上島 雅彦(一般財団法人竹田健康財団竹田綜合病院)
日本は、2004年に「精神保健医療福祉の改革ビジョン」にて精神医療を入院中心から地域中心に変換することを明示したのを皮切りに、2017年「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」にて「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を新たな理念にすることを明確にした。本理念が目指す将来像(イメージ図)では、利用者・家族の住まいが中心に置かれており、そこに医療や障害福祉、社会参加・地域での助け合いが取り囲むように描かれている。この図では、病気を軸に医師が中心に治療を行うことよりも、利用者と家族の生活と希望を軸に、関係者が繋がり、時にご自宅に関係者が集い、利用者の意思を確認しながら進めていく長く地道な歩みが大切であることが示されている。
既存のサービスに乗りにくい課題を個々に抱え、地域で孤立している方々のメンタルヘルスの課題は、統合失調症だけではなく認知症、ひきこもり、発達障害、トラウマ関連など実に多様かつ複雑である。彼らは課題の困難さやこれまでの痛みの積み重ねから、困っていることを発信する力自体が利用者だけでなく家族も弱っていることが多い。
アウトリーチとは「手を伸ばすこと」を意味する英語から派生した言葉で、医療保健福祉分野では「支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し、行政や支援機関などが積極的に働きかけて情報・支援を届けるプロセス」とされ、現地に赴き困難の中に共に想いを馳せつつ身も置くことがまず一歩となる。しかしながらそこには医療だけではどうにもならない課題が山積しているだけでなく、それらの課題を医療のみで賄おうとすることは利用者の希望からずれていく危険性をも孕んでいる。その人の希望を軸に、医療の側から医療以外の多機関に手を伸ばし、連携と対話を行うことで利用者と地域との対話が始まる。支援の手が増えることで医療支援は減り、利用者はゆっくり地域に抱えられ、地域の一員である実感を取り戻していく。
また医療の人手が少ない地方では医療がどう関わり、必要十分に繋がり続けるかが大きな課題となる。他の支援機関から医療支援をアウトリーチで求められた場合の仕組みづくりも重要となり、多機関連携だけでなく、医療の中でも多職種の活躍や連携が必須となっていく。
本シンポジウムでは、認知症、ひきこもり、個別就労支援(IPS)、強度行動障害を取り上げ、これらに対する連携の実際とそれぞれの課題を実践者から事例を交えて報告し、「にも包括」をさらに推し進めていくための方策を検討したい。
なお、本シンポジウムのコーディネーターおよび登壇者はいずれも一般社団法人コミュニティ・メンタルヘルス・アウトリーチ協会訪問医療部会の部会員であり、本企画はコミュニティ・メンタルヘルス・アウトリーチ協会の推薦を受けている。
既存のサービスに乗りにくい課題を個々に抱え、地域で孤立している方々のメンタルヘルスの課題は、統合失調症だけではなく認知症、ひきこもり、発達障害、トラウマ関連など実に多様かつ複雑である。彼らは課題の困難さやこれまでの痛みの積み重ねから、困っていることを発信する力自体が利用者だけでなく家族も弱っていることが多い。
アウトリーチとは「手を伸ばすこと」を意味する英語から派生した言葉で、医療保健福祉分野では「支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し、行政や支援機関などが積極的に働きかけて情報・支援を届けるプロセス」とされ、現地に赴き困難の中に共に想いを馳せつつ身も置くことがまず一歩となる。しかしながらそこには医療だけではどうにもならない課題が山積しているだけでなく、それらの課題を医療のみで賄おうとすることは利用者の希望からずれていく危険性をも孕んでいる。その人の希望を軸に、医療の側から医療以外の多機関に手を伸ばし、連携と対話を行うことで利用者と地域との対話が始まる。支援の手が増えることで医療支援は減り、利用者はゆっくり地域に抱えられ、地域の一員である実感を取り戻していく。
また医療の人手が少ない地方では医療がどう関わり、必要十分に繋がり続けるかが大きな課題となる。他の支援機関から医療支援をアウトリーチで求められた場合の仕組みづくりも重要となり、多機関連携だけでなく、医療の中でも多職種の活躍や連携が必須となっていく。
本シンポジウムでは、認知症、ひきこもり、個別就労支援(IPS)、強度行動障害を取り上げ、これらに対する連携の実際とそれぞれの課題を実践者から事例を交えて報告し、「にも包括」をさらに推し進めていくための方策を検討したい。
なお、本シンポジウムのコーディネーターおよび登壇者はいずれも一般社団法人コミュニティ・メンタルヘルス・アウトリーチ協会訪問医療部会の部会員であり、本企画はコミュニティ・メンタルヘルス・アウトリーチ協会の推薦を受けている。
[SY114-1]多機関協働による認知症初期集中支援チームの実践
○岡﨑 公彦 (岡﨑クリニック)
[SY114-2]佐賀県における医療と引きこもり支援団体との共同・協働・連携
○谷口 研一朗1, 谷口 仁史2, 大宅 由香2 (1.さが恵比須メンタルくりにっく, 2.認定特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイス)
[SY114-3]地域協働を進めるIPSの実践
○福武 周作 (社会医療法人高見徳風会希望ヶ丘ホスピタル)
[SY114-4]強度行動障害がある家庭に届ける多機関連携
○渡邉 真里子 (ちはやACTクリニック)
[指定発言]指定発言
○野口 正行 (岡山県精神保健福祉センター)