セッション詳細

[SY117]シンポジウム117_広がる認知行動療法の適用疾患: 多様な病態への新たなアプローチと治療展開

2025年6月21日(土) 10:45 〜 12:45
H会場(神戸国際会議場 5階 502会議室)
司会:中川 敦夫(聖マリアンナ医科大学)、藤澤 大介(慶應義塾大学医学部/国立研究開発法人国立がん研究センター)
メインコーディネーター:中川 敦夫(聖マリアンナ医科大学)
認知行動療法(CBT)は、うつ病、パニック症、社交不安症、強迫症に対する有効性が臨床試験によって広く認められており、診療ガイドラインで推奨される治療法として確立されている。日本では現在、パニック症、社交不安症、強迫症、PTSD、摂食障害(神経性過食症)に対する専門治療として、診療報酬の対象となっているが、認知行動療法の対象疾患はこれらにとどまらない。
近年、CBTの適用範囲は拡大し、従来はCBTによる治療が難しいとされてきた疾患や、これまで十分な治療法が確立されていなかった臨床課題に対して、CBTの効果を示すエビデンスが次々と蓄積されてきている。例えば、不眠や慢性疼痛の症状改善や、がん患者のQOL(生活の質)向上に対して、CBTの有用性が報告されている。さらに、治療アドヒアランスの向上を目的とした新たな応用分野でも有効性が示されている。
近年広がるCBTの適用範囲に注目し、本シンポジウムでは、ADHD、慢性うつ、適応反応症に対する最新の取り組みを紹介するとともに、認知症家族への支援としてのCBTの可能性を探る。そして、症状改善に留まることなく、QOL(生活の質)向上やリカバリーの促進といった治療のパーソナライズの実現にどのようにCBTが貢献できるかを検討する。さらに、オンラインCBTやデジタルツールの活用といった技術革新が、わが国でのCBT普及や臨床現場での実装を促進する可能性についても触れ、今後の展望について考察する。

[SY117-1]成人期の注意欠如・多動症に対する個別認知行動療法プログラムの開発と実装に関する検討

久我 弘典 (国立精神神経医療研究センター)

[SY117-2]認知症介護家族に対する認知行動療法

藤澤 大介1,2 (1.慶應義塾大学医学部, 2.国立研究開発法人国立がん研究センター)

[SY117-3]適応反応症に対する認知行動療法

中川 敦夫 (聖マリアンナ医科大学)

[SY117-4]慢性うつ(持続性抑うつ)に対する認知行動療法の考え方を用いたアプローチ

菊地 俊暁 (慶應義塾大学)