セッション詳細
[SY118]シンポジウム118_向精神薬と自動車運転 -エビデンスの社会実装とリスクコミュニケーション-
2025年6月21日(土) 13:20 〜 15:20
H会場(神戸国際会議場 5階 502会議室)
司会:松尾 幸治(埼玉医科大学医学部精神医学)、岩本 邦弘(名古屋大学医学部附属病院精神科)
メインコーディネーター:岩本 邦弘(名古屋大学医学部附属病院精神科)
サブコーディネーター:松尾 幸治(埼玉医科大学医学部精神医学)、中林 哲夫(医薬品医療機器総合機構)
メインコーディネーター:岩本 邦弘(名古屋大学医学部附属病院精神科)
サブコーディネーター:松尾 幸治(埼玉医科大学医学部精神医学)、中林 哲夫(医薬品医療機器総合機構)
本邦における向精神薬の添付文書は、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないことを規定しているものが多い。欧米では添付文書による一律の運転禁止とはせず、向精神薬が自動車運転技能に及ぼす影響を検討し、医療者と患者とで適切にリスクコミュニケーションを行うことこそが、交通事故防止に重要であると考えられている。一方、本邦では眠気等の副作用が少ない標準的治療薬においても、一律に運転禁止を求めざるを得ない状況が続いており、欧米同様に向精神薬の影響の程度に応じた注意喚起を行い、患者の社会生活と安全の双方を考慮した医療環境が望まれる。
この状況を踏まえ、「向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法に関するガイドライン」が日本精神神経学会とも連携して作成され、厚生労働省より2022年12月27日に通知として発出された。同時並行で開発された自動車運転シミュレータを用いた評価体制も整備され、本邦においても新薬と既承認薬の影響を評価する基盤は整った。さらに、ガイドラインに沿って評価された向精神薬が、運転技能に与える影響の程度を判定する基準も定まった。これらの取り組みにより、新薬のみならず既承認薬についても、向精神薬が運転技能に与える影響に関するリスク評価が可能となる状況がようやく整った状況となった。
しかし、向精神薬自体が自動車の運転技能に与える影響のリスク査定が可能となったとしても、向精神薬の自動車の運転技能への影響には個人差があるだけでなく、体調や病状等の薬剤以外の要因も自動車の運転技能に影響する。このため、薬効評価と個々の当事者での運転適性の評価は同義ではない。このため、本シンポジウムでは、向精神薬の薬効評価に関する現状を概説した上で自動車の運転技能に影響する薬剤以外の要因や今後求められるリスクコミュニケーションについて議論する。
この状況を踏まえ、「向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の評価方法に関するガイドライン」が日本精神神経学会とも連携して作成され、厚生労働省より2022年12月27日に通知として発出された。同時並行で開発された自動車運転シミュレータを用いた評価体制も整備され、本邦においても新薬と既承認薬の影響を評価する基盤は整った。さらに、ガイドラインに沿って評価された向精神薬が、運転技能に与える影響の程度を判定する基準も定まった。これらの取り組みにより、新薬のみならず既承認薬についても、向精神薬が運転技能に与える影響に関するリスク評価が可能となる状況がようやく整った状況となった。
しかし、向精神薬自体が自動車の運転技能に与える影響のリスク査定が可能となったとしても、向精神薬の自動車の運転技能への影響には個人差があるだけでなく、体調や病状等の薬剤以外の要因も自動車の運転技能に影響する。このため、薬効評価と個々の当事者での運転適性の評価は同義ではない。このため、本シンポジウムでは、向精神薬の薬効評価に関する現状を概説した上で自動車の運転技能に影響する薬剤以外の要因や今後求められるリスクコミュニケーションについて議論する。
[SY118-1]運転薬効評価ガイドラインと新規運転評価系の臨床応用
○岩本 邦弘 (名古屋大学医学部附属病院精神科)
[SY118-2]向精神薬が自動車の運転技能に及ぼす影響の判定基準について
○中林 哲夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
[SY118-3]統合失調症患者の運転技能に影響を与える要因について
○小西 勇輝 (産業医科大学)
[SY118-4]てんかんにおける自動車の運転技能に影響する要因とリスクコミュニケーション
○渡邊 さつき (埼玉医科大学病院神経精神科・心療内科)
[SY118-5]向精神薬と自動車運転 -産業医の立場から-
○鎌田 直樹 (北里大学医学部精神科学)