セッション詳細

[SY119]シンポジウム119_児童青年精神医学キャリア・カフェ -寄附講座としての児童精神医学の研究や臨床・教育の在り方を検討する-

2025年6月21日(土) 8:30 〜 10:30
K会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 偕楽1)
司会:小坂 浩隆(福井大学医学部精神医学)、辻井 農亜(富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座)
メインコーディネーター:小坂 浩隆(福井大学医学部精神医学)
サブコーディネーター:本田 秀夫(信州大学医学部子どものこころの発達医学教室)、熊崎 博一(長崎大学医学部精神神経科学教室)
全国的に児童精神科医は不足していることが指摘されているなか、児童精神科医(子どものこころ専門医)の育成を主な目的として、地方自治体が大学と協力して大学内に寄附講座を設置する動きが活発化している。2024年現在、10大学が児童精神医学に関連する寄附講座を持っている(北海道大学、信州大学、北里大学、浜松医科大学、名古屋市立大学、富山大学、福井大学、高知大学、愛媛大学、長崎大学)。その10大学から、寄附講座としての児童精神医学の研究や臨床・教育の在り方を提言する。
少子化でありながら、児童思春期の精神医学臨床における初期対応は難しく、その時の問題が成人期にまで影響を与え続けているためにこの領域を学ぶことは重要である。幼少期の不適切な養育環境・被虐待体験・トラウマが、児童思春期の不登校・いじめ・不安症状・うつ症状・神経発達症症状・摂食障害症状・身体化症状が、形を変えながらも年単位で継続される。その臨床場面に、早期に気づき、早期に対応し、心理師・看護師・精神保健福祉士ら多職種との連携、学校や福祉とともに地域の連携を深めながら守っていく必要がある。しかしながら、それらを学ぶ機会、学ぶ機関・施設が少ないのも事実である。児童精神科医学を専門にする(子どものこころ専門医の取得を目指す)方も、基礎的な知識と経験を学びたい方も、それらの病態解明を目指したい方にも、われら10大学の児童精神医学の寄附講座を活用いただきたいとも考える。
各大学で独自の取組をしている児童精神医学の教育・研修プログラム、研究の最先端をご紹介し、この分野に興味があり基礎を学びたい方、子どものこころ専門医の取得を目指したい医学生・初期研修医・若手医師の方、さらにはメディカルスタッフの方々にも対象に、その場で学ぶ際の疑問点などを答える機会にしたい。
あの人はどのようなキャリアを積んできたのか?、自分がキャリア・アップするにはどのような方法があるのか?、首都圏や大都市圏で児童精神医学を学び将来は地方に戻ることを考えているがどうしたらよいのか?、など様々な相談に答える機会にもなればと願う。

[SY119-1]北海道大学病院子どものこころと発達センターにおける児童精神科研修の取り組み

大島 由季代, 須山 聡, 齊藤 卓弥 (北海道大学病院子どものこころと発達センター)

[SY119-2]長野県の委託による信州大学の「発達障がい診療人材育成事業」

本田 秀夫1,2,3 (1.信州大学医学部子どものこころの発達医学教室, 2.信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部, 3.長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」)

[SY119-3]相模原市寄附講座「地域児童精神科医療学」について

神谷 俊介 (北里大学医学部精神科学相模原市寄附講座「地域児童精神科医療学」)

[SY119-4]児童青年精神医学講座の活動について

高貝 就 (浜松医科大学児童青年期精神医学講座)

[SY119-5]名古屋市立大学病院こころの発達診療研究センターの取り組み―病院内にとどまらない神経発達症医療の実践-

山田 敦朗1,2 (1.名古屋市立大学大学院医学研究科こころの発達医学寄附講座, 2.名古屋市立大学病院こころの発達診療研究センター)

[SY119-6]富山県における児童精神科医としてのキャリア

辻井 農亜1, 平岩 明子1,2 (1.富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座, 2.富山大学医学部小児科学教室)

[SY119-7]福井大学で児童精神の臨床と研究を実践しましょう

小坂 浩隆1,2 (1.福井大学医学部精神医学, 2.福井大学子どものこころの発達研究センター)

[SY119-8]高知大学医学部寄附講座児童青年期精神医学における児童精神医学の研究や臨床・教育

高橋 秀俊 (高知大学医学部寄附講座児童青年期精神医学)

[SY119-9]愛媛大学児童精神医学講座の設立と今後の展望

河邉 憲太郎, 堀内 史枝 (愛媛大学大学院医学系研究科児童精神医学講座)

[SY119-10]長崎大学医学部精神神経科学教室における児童精神科医の育成

熊崎 博一 (長崎大学医学部精神神経科学教室)