セッション詳細
[SY120]シンポジウム120_てんかん診療実践の現在:最新用語改訂から薬物治療・外科治療の実際まで
2025年6月21日(土) 10:45 〜 12:45
K会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 偕楽1)
司会:曾根 大地(東京慈恵会医科大学)、西田 拓司(静岡てんかん・神経医療センター)
メインコーディネーター:曾根 大地(東京慈恵会医科大学)
サブコーディネーター:西田 拓司(静岡てんかん・神経医療センター)
メインコーディネーター:曾根 大地(東京慈恵会医科大学)
サブコーディネーター:西田 拓司(静岡てんかん・神経医療センター)
近年の検査や技術、機器の発展により、てんかんの診断や分類、治療等は日進月歩であるが、多くの精神科医にとってこれらの知識のアップデートを包括的に行う機会は少なく、それゆえ断片的な知識になりやすいと考えられる。しかしながら、他科との連携も含め、今後も精神神経学会がてんかん診療を標榜していくにあたり、精神科医が最新の用語改訂や治療の選択肢について知っておくことは重要であろう。
2022年に国際抗てんかん連盟(ILAE)による大幅な関連用語のアップデートが公式に行われた。この改訂では、例えばWest症候群の名称が廃止になるなど重要な変更がいくつか含まれるが、いまだ精神科診療の現場には浸透していないと考えられる。2017年から始まるこれらの新たな分類体系について、学会で実際に携わったエキスパートである小児神経科医の日暮憲道氏に解説していただく。この改訂の背景には遺伝子検査の進歩と単一遺伝子異常による多数のてんかん症候群の発見があり、遺伝子検査の実情についても氏にご解説頂く。次に、抗てんかん発作薬についても近年さらに新たな薬剤が登場しており、それぞれの特徴を踏まえた診療が求められる。これらの新規薬剤を含めた抗てんかん発作薬の使い方について、西田拓司氏に包括的に述べて頂く。更に、てんかん診療には発作の治療だけでなく、幅広い年齢層と多様なライフイベントを意識した生活指導や支援が求められる。この分野は大きなアップデートは多くないが、全年齢に渡って発症しうる慢性疾患に幅広く対応して診療を行うには必須であり、包括的に学ぶことで日常臨床に役立てることができるだろう。この部分は提案者が担当する。最後に、てんかん外科の実情について池谷直樹氏に解説していただく。この領域では、ビデオ脳波モニタリングやMRI、核医学画像、脳磁図といった従来の術前評価や外科手術に加え、近年は脳機能マッピングや定位的頭蓋内脳波(SEEG)、手術支援ロボット、発作反応型脳刺激療法(RNS)、脳深部刺激療法(DBS)、定位的レーザー温熱凝固療法(LITT)といった手法が急速に実臨床に登場し、多くは本邦で既に用いられている。実際に直接手術に携わらなくとも、診療の一翼を担う科の医師が知識として知っておくことで、より適切な紹介などの診療連携につながる可能性があると思われる。
このように、本シンポジウムではてんかん診療実践の現在について基本から最新の進歩まで概説し、包括的な実情の理解を目指す。系統的にてんかん診療の全体像を把握することで、今後の臨床実践の向上につながることが期待される。
2022年に国際抗てんかん連盟(ILAE)による大幅な関連用語のアップデートが公式に行われた。この改訂では、例えばWest症候群の名称が廃止になるなど重要な変更がいくつか含まれるが、いまだ精神科診療の現場には浸透していないと考えられる。2017年から始まるこれらの新たな分類体系について、学会で実際に携わったエキスパートである小児神経科医の日暮憲道氏に解説していただく。この改訂の背景には遺伝子検査の進歩と単一遺伝子異常による多数のてんかん症候群の発見があり、遺伝子検査の実情についても氏にご解説頂く。次に、抗てんかん発作薬についても近年さらに新たな薬剤が登場しており、それぞれの特徴を踏まえた診療が求められる。これらの新規薬剤を含めた抗てんかん発作薬の使い方について、西田拓司氏に包括的に述べて頂く。更に、てんかん診療には発作の治療だけでなく、幅広い年齢層と多様なライフイベントを意識した生活指導や支援が求められる。この分野は大きなアップデートは多くないが、全年齢に渡って発症しうる慢性疾患に幅広く対応して診療を行うには必須であり、包括的に学ぶことで日常臨床に役立てることができるだろう。この部分は提案者が担当する。最後に、てんかん外科の実情について池谷直樹氏に解説していただく。この領域では、ビデオ脳波モニタリングやMRI、核医学画像、脳磁図といった従来の術前評価や外科手術に加え、近年は脳機能マッピングや定位的頭蓋内脳波(SEEG)、手術支援ロボット、発作反応型脳刺激療法(RNS)、脳深部刺激療法(DBS)、定位的レーザー温熱凝固療法(LITT)といった手法が急速に実臨床に登場し、多くは本邦で既に用いられている。実際に直接手術に携わらなくとも、診療の一翼を担う科の医師が知識として知っておくことで、より適切な紹介などの診療連携につながる可能性があると思われる。
このように、本シンポジウムではてんかん診療実践の現在について基本から最新の進歩まで概説し、包括的な実情の理解を目指す。系統的にてんかん診療の全体像を把握することで、今後の臨床実践の向上につながることが期待される。
[SY120-1]てんかん・てんかん発作型・てんかん症候群に関する国際分類・定義・用語update
○日暮 憲道 (武蔵小杉小児科・てんかんクリニック)
[SY120-2]てんかんの薬物治療アップデート
○西田 拓司 (国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター)
[SY120-3]幅広い年齢層と多様なライフイベントを意識したてんかん診療
○曾根 大地 (東京慈恵会医科大学)
[SY120-4]てんかん外科の現状と実践
○池谷 直樹 (横浜市立大学医学部脳神経外科学)